正直に告白します。私は変動金利で住宅ローンを借りている「当事者」なのに、2026年8月にもう金利のもとになる数字が上がっていたことを、しばらく知りませんでした。金利の記事は何本も書いてきたのに、です。
気づいたときは、正直ちょっとヒヤッとしました。でも同時に、「これは同じ状況の人がたくさんいるはずだ」とも思ったんです。だから今回は、あおらずに、いちばんやさしく整理してみます。
先に結論を書いておきます。この記事は「借り換えをすすめる記事」ではありません。私自身、計算した結果、いまは借り換えません。それでも計算はしました。読者のみなさんにも、その計算のしかたをお渡しするのがこの記事の目的です🏠
まずは、さっき書いた「金利のもとになる数字」から見ていきます。ここが分かると、なぜ10月なのか、なぜ2027年1月なのかが、いっぺんにつながります。
📊 変動金利は、何をもとに決まっているの?
変動金利型の住宅ローンには、金利のもとになる数字があります。「短期プライムレート」といいます。銀行が信用力の高い企業に、1年以内の短い期間でお金を貸すときの、いちばん低い金利のことです。
名前が長いので、銀行のお知らせや住宅ローンの記事では「短プラ」と略されていることがあります。この記事では長いほうで通しますね。
なぜ住宅ローンの話でこれが出てくるかというと、変動金利型の住宅ローンは、この短期プライムレートをもとに決まっているから。日本銀行が政策金利を動かす → 短期プライムレートが動く → 変動金利が動く、というバケツリレーになっています。
主要行の最頻値(いちばん多い値)の推移がこちらです。出典は日本銀行「長・短期プライムレート(主要行)の推移」です。

階段が4段上がっているのが分かると思います。いちばん右の2.375%は、2026年8月3日にもう決まった数字です。このあと10月の見直しを通って、2027年1月ごろに毎月の返済額に届きます。
- 長いあいだ 1.475% のまま動かなかった
- 2024年9月 → 1.625%
- 2025年3月 → 1.875%
- 2026年2月 → 2.125%
- 2026年8月3日 → 2.375% ← 今回のポイント
背景には、日本銀行が2026年6月の会合で政策金利を0.75%→1.00%へ引き上げたことがあります(当ブログでも記事にしました)。その後、7月30・31日の会合では1.00%に据え置き。次の会合は2026年9月17日・18日です。
🗓 10月に見直し、返済額に効くのは2027年1月
ここがこの記事の背骨です。
多くの銀行は、変動金利のもとになる基準金利を年2回(4月と10月)見直します。8月に短期プライムレートが上がったので、10月の見直しで基準金利が上がる見通し(0.25%程度)。そして実際に毎月の返済額に効いてくるのは2027年1月ごろです。
つまりいまは、「まだ返済額は上がっていないけれど、上がることはもう決まっている」という状態。焦る必要はまったくありませんが、知らないまま2027年1月を迎えるのと、知って準備するのとでは、気持ちがまるで違います。
「5年ルール」がある人はもうひと段階ややこしい
銀行によっては「5年ルール」があります。金利が上がっても、毎月の返済額は5年間そのままという仕組みです。一見ありがたいのですが、変わるのは内訳(利息と元本の割合)。利息の取り分が増えて、元本が減りにくくなります。
返済額が変わらない=負担が増えていない、ではないんですね。そもそも5年ルールがない銀行もありますので、ご自身の契約書で確認してみてください。
変動金利と固定金利の連動先のちがい、5年ルールの話は、詳しくはこちら👇
📈 長期金利が30年ぶりの高さに!住宅ローン・預金・オルカンはどうなる?
🧮 自分の場合、いくら増えるの?
ここは「例」で見てみましょう。元利均等返済(毎月の返済額が一定になる、いちばん多い返し方)で計算しています。
残債3,000万円・残り20年・金利が0.25%上がった場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 毎月の返済額 | 約131,400円 → 約134,600円 |
| 毎月の増加 | 約3,300円 |
| 1年での増加 | 約39,000円 |
| 残り20年ぶんの合計 | 約78万円 |
毎月3,300円と聞くとそこまでではない気もしますが、20年で約78万円と言われると印象が変わります。そしてこれはあくまで例で、残債と残り年数によって金額はまったく変わります。
ぜひ一度、ご自身の返済予定表を開いてみてください。残債・残り年数・いまの金利。この3つが分かれば、話はぐっと具体的になります。
もし「毎月あと3,000円が正直きつい」と感じたなら、それは金利の問題というより家計の余白の問題かもしれません。固定費の見直しについては、詳しくはこちら👇
💰 投資の前に家計管理!固定費を見直してお金を貯める第一歩
🔁 借り換える前に計算しよう
先に私の話を書きます。私はこれまで借り換えを検討したことがありませんでした。理由はシンプルで、いまの金利が1%を切っていて、借り換えても手数料を考えると高くつくからです。今回あらためて計算してみましたが、結論は変わりませんでした。私はいま、借り換えません。
ただ、計算はしました。ここが大事なところだと思っています。
借り換えの諸費用は30万〜80万円
借り換えには、まとまった諸費用がかかります。目安は30万〜80万円。内訳はこんな感じです。
- 事務手数料(借入額×2.2%が主流。数万円の定額型もあり)
- 抵当権の抹消と設定の登記費用
- 印紙税
- 司法書士への報酬
この諸費用を、金利が下がったぶんで何年かけて取り返せるか。それが「損益分岐」です。

スタート地点がマイナス70万円なのは、先に諸費用を払うからです。そこから毎月の差額で少しずつ埋めていって、ゼロの線を超えてはじめて「借り換えてよかった」になります。金利差0.2%以下の線は、25年かけてもゼロに届いていません。
グラフは、残債2,500万円・残り25年・いまの金利0.8%と仮定し、諸費用70万円(借入額×2.2%+登記など15万円)で試算した、借り換え後の「累計の得」です。
- 金利差0.5% → 約11年で元が取れる。25年で約+94万円
- 金利差0.3% → 約18年かかる。25年で約+29万円
- 金利差0.2% → 25年かけても元が取れない(約−4万円)
- 金利差0.1% → 約−37万円
昔から言われる目安「残高1,000万円以上・残り10年以上・金利差0.3%以上」には、ちゃんと理由があったんですね。
逆に言えば、残債が大きくて残り年数が長い人ほど効きます。たとえば残債4,000万円・残り30年で1.2%→0.7%なら、諸費用約103万円を約9年で回収して、30年で約+226万円。同じ「借り換え」でも、人によって結論が正反対になります。
⚠️ 借り換えの、知られていない3つの落とし穴
① 団信に入り直しになる
借り換えは新しく借り直すことなので、団体信用生命保険(団信)に入り直しになります。健康状態によっては審査に通らず、借り換えたくてもできないことがあります。年齢が上がるほど、このリスクは上がります。
② 審査に落ちることがある
借りた当時より収入が減った、ほかに借入がある、信用情報に傷がある。いま借りられているから今回も通る、とは限りません。
③ 変動→変動では、上昇リスクは消えない
ここはぼかさずに書きます。変動金利から変動金利に借り換えても、金利が上がるリスクそのものは消えません。下がるのは水準だけです。

「じゃあ固定にすれば?」と思いますよね。でも固定はもう先に上がっています。【フラット35】(借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付)の2026年9月の最頻金利は年3.46%。フラット20(15年以上20年以下・同条件)は年3.14%です(出典:住宅金融支援機構【フラット35】公式サイト)。単純な逃げ道にはならない、というのが正直なところです。
🔍 それでも「その日」は来るかもしれない
いまは借り換えない。でも、金利がここからさらに上がっていけば、いつか考える日が来ると思っています。そのときに銀行を1軒ずつ回って条件を聞いて回るのは、正直しんどい。まとめて比較できるサービスを使ったほうが効率がいいよなあ、と。
そこで前から気になっているのが「モゲチェック」です。ただし、私はまだ使っていません。あるサイトで知って、気になったまま置いてある、という状態です。使ってもいないのに「便利でした」とは書けないので、事実だけ整理しておきます。
- 運営は株式会社MFS(貸金業登録:東京都知事 第31690号/日本貸金業協会会員 第005928号)
- 利用は無料。提携は約30の主要銀行
- 利用者は50万人を突破(2026年1月現在/出典:モゲチェック公式サイト)
- 借り換え・新規どちらの診断も可能。銀行ランキング、毎月返済額や借り換えメリット額のシミュレーション、限定の特別金利、アドバイザーへの無料メッセージ相談
そして限界も正直に書いておきます。
- 提携していない銀行(地方銀行や信用金庫など)は出てきません。提携外のほうが条件が良いこともあります
- 表示される金利や審査の通りやすさは「推定」です。最終的な条件は実際に申し込むまで分かりません
- 審査をするのは銀行であって、モゲチェックが貸すわけではありません
ちなみに「なぜ無料なのか」は、公式サイトには書かれていませんでした。推測で断定はしません。
私の中での位置づけは、いま使うものではなく、その日が来たときの選択肢として知っておくもの。同じ温度感で見てもらえたらと思います。
その日が来たとき用に、入口だけ置いておきます。診断も相談も無料なので、「いまの自分だと、どのくらいの金利が出るのか」を眺めるだけでも、判断材料としては十分だと思います。
🏡 これから家を買う人へ
我が家では最近、妻とこんな話をしています。固定金利の上昇がとくに目につくこと。変動金利もどんどん上がっていること。そして妻がぽつりと、「家を買える人がどんどん少なくなるんじゃない?」「どこまで上がるんだろうね?」と。
答えは出ません。私にも分かりません。金利は自分ではどうにもできない領域です。
ただ、ひとつだけ言えることがあります。金利が上がる局面だからこそ、同じ物件でも「どこで借りるか」で総返済額が変わるということ。物件は必死に比較するのに、ローンは不動産会社に紹介された銀行でそのまま、という人は少なくありません。先に借入先を比較してから動いたほうが、選べる幅は確実に広がります。
これから借りる方は、こちらから条件を入れると銀行ごとのプランが出ます。物件を決める前でも使えますので、資金計画の段階で一度見ておくと安心だと思います。
ちなみにその話をしていたとき、もなかはキャットタワーのてっぺんから、我が家の会議を静かに見下ろしていました🐈 ココアはケージの前で、前足で顔をくしくし洗っていて、金利の話などどこ吹く風。この呑気さに救われます🐰

✍️ まとめ:計算だけは、一度してみる
整理します。
- 2026年8月に短期プライムレートが2.375%へ。10月の見直しを経て、返済額に効くのは2027年1月ごろ
- 残債3,000万円・残り20年で0.25%上がると、毎月約3,300円・20年で約78万円の増加(例)
- 借り換えの損益分岐は金利差と残債で決まる。金利差0.2%以下だと元が取れないことも
- 団信・審査・変動→変動でもリスクは消えない、という3つの落とし穴
- 固定はすでに【フラット35】で年3.46%(2026年9月・最頻金利)
借り換えは「するべき/するべきでない」ではなく、自分の数字で一度だけ計算してみるものだと思っています。計算した結果「うちは借り換えない」でまったく構いません。むしろ、それでいいんです。私がそうですから。
金利は自分ではどうにもできません。できるのは、自分の数字を把握しておくことと、選べるときにちゃんと選ぶこと。それだけです。
そして最後にひとつ。金利がどうなろうと、私の積立は変えません。SBI証券でのeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の積立は、いままでどおり淡々と続けます。住宅ローンの金利に一喜一憂して積立を止めるのは、私にとっていちばんやってはいけないことなので😌
📖 あわせて読みたい
本記事の数字は、日本銀行「長・短期プライムレート(主要行)の推移」、住宅金融支援機構【フラット35】公式サイト、モゲチェック公式サイトを参照しています(記事執筆時点)。最新の仕様・金利は必ず公式サイトでご確認ください。
- 日本銀行:https://www.boj.or.jp/
- 住宅金融支援機構【フラット35】:https://www.flat35.com/
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。住宅ローンは借入時期・契約内容・銀行によって条件が大きく異なる、個別性の高い商品です。5年ルールの有無や金利の見直し時期を含め、最終的にはご自身の契約書と、借りている銀行にご確認ください。


コメント