結論から書きます。AI「Claude(クロード)」を作っているAnthropic(アンソロピック)が、2026年10月26日(米国時間)に上場を正式に申請しました。
ただし、上場日・株数・値段はまだ決まっていません。上場したら、オルカンが連動する指数には大きな会社を早めに入れるルールがあり、スペースXは上場から17日で入りました。一方、S&P500には当分入りません。
私はIPOでは買いません。オルカンを持っていれば、自然に持てる可能性が高いと考えているからです🤖✨
この記事で分かることは、次の4つです。
- 📰 上場の申請で何が決まって、何がまだなのか
- 📊 「赤字807億ドル」という数字の正体
- 🌍 オルカン・NASDAQ100・S&P500に入るまでの流れ
- 🏦 SBI証券での扱い(スペースXのときの例)
📰 何が起きた?10月26日に上場を正式に申請
「上場」とは、会社の株を証券取引所で誰でも売り買いできるようにすることです。初めて上場することを「IPO(新規上場)」と呼びます。
Anthropic(正式名 Anthropic, PBC)は2026年10月26日(米国時間)、上場に必要な書類「Form S-1」を、アメリカの証券当局である米国証券取引委員会(SEC)に公開で提出しました。
S-1は日本でいう「有価証券届出書」にあたるもので、会社の事業やお金の状況をくわしく書いた書類です📄
実は2026年6月に、公開前の下書き(ドラフト)を非公開で出していました。今回はそれを、誰でも読める形で正式に出したということです。
- 上場先:ナスダック(Nasdaq Global Select Market)
- ティッカー(銘柄の略称):「ANT」の予定
- 目論見書の請求先:ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー
「ティッカー」は、株を売り買いするときに使う短い名前のことです。日本の株でいう「証券コード」のアルファベット版、と考えると分かりやすいと思います。
大事なのは、売り出す株数と値段の幅はまだ決まっていないことです(公式発表に明記)。
書類はまだ効力が発生しておらず、効力が発生するまでは、株を売ることも買い注文を受けることもできません。
上場日も、会社からは発表されていません。米メディアの報道では、11月9日の週に投資家向けの説明(ロードショー)を始め、11月中旬〜下旬(感謝祭の前)の上場を目指しているとされています。当初は10月と報じられていましたが、11月にずれ込んだと報じられました。いずれも報道ベースの話です。
🏢 Anthropicってどんな会社?
AnthropicはAI「Claude」を作っている、アメリカ・サンフランシスコの会社です。CEOはダリオ・アモデイ氏、社長はダニエラ・アモデイ氏で、2人は共同創業者です。
私もClaudeを、仕事の業務効率化に使っています💻 ふだん仕事で使っている道具を作っている会社が、上場しようとしているわけです。
この会社には、ふつうの会社とは少し違う点が2つあります。
公益と利益を両立させる会社
Anthropicは「パブリック・ベネフィット・コーポレーション(公益と利益を両立させる会社)」という形をとっています。株主のもうけだけでなく、会社の活動で影響を受ける人の利益と、定款に書いた公益の目的とのバランスを取ることが求められています。
その公益の目的は、「人類の長期的な利益のために、高度なAIを責任をもって開発・維持すること」です。
長期利益信託(LTBT)というしくみ
さらに「長期利益信託(LTBT)」という、会社から独立した人たちの組織があります。この組織が特別な株を通じて、取締役の過半数を選ぶしくみになっています。ふつうの会社とは少し違う形なんだな、とだけ紹介しておきます。
📊 「赤字807億ドル」の正体は?
S-1には、お金の成績も載っています。ニュースで「赤字807億ドル」と見て驚いた方もいるかもしれません。でも、中身を分けて見ると印象が変わります(1〜6月は監査前の数字です)。
売上は約14倍
まず売上です。2025年1〜6月の11.6億ドルから、2026年1〜6月は162.9億ドルへ、前の年の同じ時期の約14倍に増えました。年間で見ても、2023年4,100万ドル→2024年3.9億ドル→2025年45.9億ドルと、大きく伸びています。
本業の赤字は小さくなった
次に、本業の赤字である「営業損失」です。売上から、AIの計算に使う設備の費用や人件費など、本業にかかった費用を引いて残った赤字のことです。2025年1〜6月の21.4億ドルから、2026年1〜6月は6.9億ドルに、本業の赤字は小さくなっています。
最終赤字の約9割は帳簿上の数字
一方、すべてを差し引いた最終的な赤字「純損失」は、129.7億ドルから807.5億ドルに膨らみました。ただ、そのうち723.9億ドル(約9割)は「転換社債などの評価の変化」です。
S-1の説明では、「主に、会社の価値(企業価値)が2025年から2026年にかけて上がったことで、発行している転換社債の評価額が上がったため」とされています。
「転換社債」は、たとえるならあとで株に替えられる約束つきの借金です。会社の価値が上がると、その約束の値打ちも上がります。会社から見ると「返すべきものが増えた」ことになり、損として記録されるわけです。
つまり帳簿の上での評価の変化で、そのぶんのお金が出ていったわけではありません。ここは勘違いしやすいポイントです💡

ただし、帳簿上でも赤字は赤字です。このあと書くS&P500の条件には、ここが効いてきます。
「赤字が心配」「AIバブルでは?」という声もありますが、私は長期運用なので、短期の値動きは一切気にしていません。
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🌍 オルカンにはいつ入る?大きな会社を早めに入れる「早期組入」
オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))は、「MSCI ACWI」という指数に連動する投資信託です。
「指数」とは、たくさんの会社の株価をまとめて、市場全体の動きを1つの数字で表したもの。オルカンはこの指数と同じような値動きを目指しています🌏
ふだん:年4回の見直しを待つ
MSCIの指数は、ふだん年4回(2月・5月・8月・11月)中身を見直しています。11月の見直しの発表は11月11日の予定です。新しい会社も、ふつうはこの見直しのタイミングで入ります。
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大きなIPO:見直しを待たずに10営業日後
ただし、大きなIPOは、年4回の見直しを待たずに上場から10営業日後に入れるルールがあります。これが「早期組入」です。2007年から同じルールで、特定の会社のために変えたものではありません。
たとえるなら、人気の新しいお店ができたとき、年4回発行のガイドブックの改訂を待たずに、臨時の追加ページですぐ載せるようなものです📖 ただし、載せるかどうかはお店が開いてから決めます。

条件は次のとおりです(アメリカの場合・2026年5月14日時点の目安)。
- 対象の取引所に上場していること
- 外国人の保有制限の条件を満たすこと
- 上場1日目か2日目の終わりに、会社全体の時価総額がおよそ260億ドル以上
- 同じ時点で、市場で売り買いできる株(浮動株)の時価総額がおよそ130億ドル以上
「時価総額」は株価×株数で、会社の大きさを表す数字です。「浮動株」は、創業者などが持ち続けている株を除いた、市場で実際に売り買いされる株のことです。
発表はふつう上場1日目か2日目で、組み入れは10営業日目の取引が終わったあとです。
スペースXは上場から17日で入った
実例があります。スペースXは2026年6月12日に上場し、6月29日にMSCI ACWIに組み入れられました。上場から17日です🚀

注意したいのは、MSCIは上場する前に「入れる」と約束はしないことです。判定は上場したあと、公表されているルールどおりに行われます。Anthropicも、上場後に同じルールで判定されることになります。
もう1つ、比率は浮動株で決まります。会社全体が大きくても、市場に出回る株が少なければ比率は小さくなります。
スペースXも、組入時は0.10〜0.15%程度の見込みでした。MSCI自身も、アメリカの株価指数で試算して、「1兆ドル規模のIPOでも、指数の変化は思ったより小さいかもしれない」という分析を出しています。
スペースXがオルカンに入ったときの話について、詳しくはこちら👇
🚀 オルカンを買っていたら、いつのまにかスペースXの株主になっていた
📈 NASDAQ100とS&P500は?指数によってルールが違います
オルカン以外の指数も見ておきます。同じ大型IPOでも、指数によって扱いがかなり違います。
NASDAQ100:2026年5月から早く入れるルール
NASDAQ100は、ナスダックに上場する大きな会社100社でつくる指数です。2026年5月1日から新しいルールができました。上場した会社の時価総額が、今の構成銘柄の上位40社に入る大きさなら、上場7営業日目に判定して、そのあとすぐ入れる「ファスト・エントリー」です。
以前は、新しく上場した会社が入るのは基本的に年1回(12月)の入れ替えのときでした。スペースXは、7月7日にNASDAQ100に入っています(上場25日後・Nasdaqが6月26日に発表)。
S&P500:12か月+黒字が条件で、変えない
S&P500は、アメリカの代表的な大企業でつくる指数です。運営するS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは、大型IPOのためにルールを変えるか話し合った結果、2026年6月4日にS&P500の条件は変えないと決めました。
条件は次の2つです。
- 上場から12か月以上たっていること
- 直近1四半期と、直近4四半期の合計の両方で、最終的な利益(GAAPベースの純利益)が黒字であること
時価総額が大きいという理由だけで例外にはしない、とも明記されています。Anthropicは2026年1〜6月で大きな最終赤字なので、S&P500に入るのは、少なくとも上場から1年以上先です。
S&P500のファンドだけを持っている人は、しばらくAnthropicを持たないことになります。良い悪いではなく、指数のルールの違いです。
オルカンとS&P500の中身の違いについて、詳しくはこちら👇
🌍 オルカンとS&P500って何?円グラフで中身を見ながら初心者向けに解説
🏦 SBI証券で買える?スペースXのときはどうだった?
「SBI証券でIPO株に申し込めるの?」という疑問もあると思います。参考になるのが、スペースXのときです。
SBI証券は2026年6月のスペースXで、初めて米国株のIPO株の購入申込を受け付けました。そのときの条件は次のとおりです。
- 申込手数料は無料
- 特定口座・NISA口座・一般口座で申込可(複数の預り区分では申し込めない)
- 決済は米ドルのみ(円では申し込めない)
- 1株単位で、申込は上場の約1週間前(6月5日〜6月11日)、抽選
- SBIハイパー預金の残高10万円以上で当選確率アップ(追加抽選)、IPOチャレンジポイントの適用はなし
- NISAの枠が足りないと、全部が特定口座(または一般口座)での買付
- 市場での売買注文は、上場初日の日本時間22時15分ごろから受付
「抽選」とは、申し込んだ人の中から当たった人だけが買える方式のことです。NISAで申し込めても、決済は米ドルのみだった点は覚えておくとよさそうです。
では、Anthropicはどうかというと、2026年10月28日時点で、SBI証券のサイトにIPO株の申込の案内は見当たりません。案内が出たら、この記事に追記します。
上場したあとに市場で買う場合は、ふつうの米国株と同じです。米国株を売り買いするには「外国株式取引口座」が必要ですが、SBI証券はWEBで証券口座を開くと、外国株式取引口座も自動で開設されます。未開設の場合は「外国株式」>「外国株式取引口座開設」などから開けます。
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▶ 私が新NISAと日本株に使っているのは SBI証券 です。NISA口座の紹介ページはこちらから確認できます。
🙅 私は買いません。オルカンで自然に持てるので
ここからは私自身の話です。結論から言うと、私はAnthropicのIPO株は買いません。
私は新NISAのつみたて投資枠で、三井住友カードのクレカ積立でオルカンを毎月積み立てています。成長投資枠でも、オルカンをちょこちょこスポットで買っています。証券口座はSBI証券です💰
そもそも私は、IPO投資をやりません。上場したばかりの株は、まだ適正な株価とは言えず値動きが激しく、そこに短期で売り買いする人が集まるからです。実は人生で初めて買った株がIPOしたばかりの株で、負けた経験もあります。抽選に当たったことは一度もありません😅
IPOのしくみと、私が負けた話について、詳しくはこちら👇
📉 IPOってなに?初めて買った株がIPO株で、私が負けた話
Anthropicについては、おそらくオルカンにも組み込まれるだろうから、今後も頑張ってほしいと思っています。長期運用なので、短期の値動きは一切気にしません。
オルカンのような長期インデックス投資が負けにくいと言われるのは、
・長期的な経済成長
・利益が利益を生む複利効果
・市場全体へのリスクの分散
・長く続けることによる時間分散
という4つの理由からです。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、将来の投資成果を保証するものではありません。投資には元本割れのリスクが常に伴います。
もちろん、IPOに申し込んだり上場後に買ったりするのは、その人の自由です。自己責任で、好きにやればいいと思います。
ただ、もし「Anthropicが上場したら、株を買ったほうがいい?」と聞かれたら、私はこう答えます。「買わなくても、オルカンで自然に持てるよ」
この記事を書いている横では、もなかがキャットタワーの上から家族を見下ろしていて、ココアはラグを前足でせっせと掘っていました🐈🐇 世の中が大きなニュースでにぎわっても、我が家の時間はいつもどおりゆっくり流れています。それくらいの距離感が、長く続けるにはちょうどいいのかもしれません。

❓ Anthropicの上場のよくある質問
Q. Anthropicの上場日はいつですか?
会社からはまだ発表されていません。米メディアの報道では、11月中旬〜下旬(感謝祭の前)の上場が目標とされています。あくまで報道ベースの情報です。
Q. ティッカー(銘柄の略称)は何ですか?
ナスダック(Nasdaq Global Select Market)で、「ANT」の予定です。
Q. SBI証券でAnthropicのIPO株に申し込めますか?
2026年10月28日時点で、SBI証券のサイトに申込の案内は見当たりません。スペースXのときは、SBI証券で初めて米国株のIPO申込を受け付け、手数料無料・NISAも可・米ドル決済のみでした。
Q. オルカンを持っていれば、Anthropicの株主になりますか?
上場後に大きさの基準を満たせば、10営業日後にMSCI ACWIに入るルールがあります。ただしMSCIは上場前に約束はしないので、決まるのは上場後です。
Q. S&P500のファンドにも入りますか?
S&P500は、上場から12か月以上たっていることと黒字であることが条件です。そのため入るとしても少なくとも1年以上先です。
📝 まとめ
- Anthropicは2026年10月26日(米国時間)に上場を正式に申請。ナスダックで「ANT」の予定
- 上場日・株数・値段はまだ未定。報道では11月中旬〜下旬が目標とされる
- 最終赤字の約9割は転換社債などの評価の変化で、帳簿上の数字。本業の赤字は縮小
- MSCIには大きなIPOを10営業日後に入れる「早期組入」がある。S&P500は12か月+黒字が条件
- 私はIPOでは買わず、オルカンで自然に持てる可能性が高いと考えています
最新の仕様は公式サイトでご確認ください。上場の日程や指数のルール、証券会社の取り扱いは変わることがあります。
📚 参考にした資料
- Anthropic「公式発表(2026年10月26日)」
- 米国証券取引委員会(SEC)「Anthropic, PBC Form S-1」
- MSCI「Megacap IPOs(大型IPOについての説明とFAQ)」
- Nasdaq「Nasdaq-100 Index Methodology Update: Why Now, and What It Means」
- S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス「Consultation on Treatment of MegaCap Companies – Results(2026年6月4日)」
- SBI証券「スペースX上場予定!IPO株が購入できるチャンス」
- SBI証券「外国株式取引口座の開設方法を教えてください」
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上場の日程・株数・値段は、まだ決まっていません。指数への組み入れも上場後に各社のルールで判定されます。最新の情報は各社の公式発表で確認してください。本記事は特定の銘柄の購入をすすめるものではありません。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。

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