投資を始めてすぐの頃、私が人生で初めて買った株は、IPO株でした。そして、負けました。
昨日の記事で「私はIPO投資をやりません」と書いたので、今日はその理由をきちんと書いてみようと思います。
オルカンとスペースXの話は、詳しくはこちら👇
オルカンを買っていたら、いつのまにかスペースXの株主になっていた
この記事で分かることは、次の3つです✨
- そもそも「IPO」とは何なのか(言葉を初めて聞く人向け)
- よく聞く「上場したばかりの株は上がりやすい」の、本当の意味
- 私がIPOで負けた理由と、そこから何を変えたか
むずかしい言葉はできるだけ使わずに書きますので、のんびり読んでいただけたらうれしいです☕
🏢 そもそも、IPOってなに?
IPOは「Initial Public Offering」の略で、日本語では「新規株式公開」と言います。
かみくだくと、それまで一部の人しか持てなかった会社の株を、証券取引所に並べて、誰でも売り買いできるようにすることです。
それまでは、その会社の株は創業メンバーや一部の出資者しか持っていません。それを「はい、今日からみなさんも買えますよ」と、お店の棚に並べるイメージですね🏪
会社側にとってのメリットは、ざっくり3つです。
- まとまったお金を集められる(資金調達。新しい工場や人材にお金を使える)
- 知名度や信用が上がる(上場企業という肩書きは、取引先や採用にも効きます)
- 創業メンバーや出資者が株を換金できる
ここはこれくらいで大丈夫です。大事なのは次の章から🙂
🛣️ 個人がIPO株を買う道は、2つあります
ここがこの記事の骨格です。IPO株を買う方法には、まったく性質のちがう2つの道があります。
【道①】抽選に申し込んで「公開価格」で買う
上場する前に買う方法です。証券会社を通じて申し込み、抽選に当たれば「公開価格」という決められた値段で買えます。
この申し込み期間のことを「ブックビルディング」と呼びます。だいたい5日〜1週間程度の期間が設けられていることが多いです。
【道②】上場した後に、市場で普通に買う
上場して最初の値段(初値)がついた後に、ふつうの株と同じように市場で買う方法です。こちらは抽選も何もいらないので、誰でもできます。
同じ「IPO株を買う」でも、この2つはまったく別の投資です。ここを混同すると、あとで書くようにけっこう危ないです。

そして、道①はほとんど当たりません
通常の抽選の当選確率は、1%未満の水準と言われます。注目度の低い案件でようやく5〜10%程度、という話もあります(案件や証券会社によって大きく変わります)。
なお、SBI証券には、抽選に外れるたびにポイントがたまって、次回以降の当選確率を上げられる「IPOチャレンジポイント」という仕組みもあります。こういう制度もあるんだな、という紹介にとどめておきますね(私は使っていませんし、おすすめもしません)。
ちなみに私は、抽選で当たったことは一度もありません。何度か申し込んだことはありますが、きれいに全部外れました😅
💡【核心】「上場したばかりの株は上がりやすい」の、本当の意味
この記事でいちばん伝えたいのが、ここです。
投資を始めたばかりの私は、「上場したばかりの株は上がりやすい」という話をどこかで知って、買えば勝てるだろうと思って買っていました。
でも、あとになって分かったんです。その「上がりやすい」は、公開価格(抽選で買える値段)と、初値(上場して最初についた値段)を比べた話だったんですね。
実際の数字を見てみます。IPO統計サイトの公表データによると、2025年は上場65社のうち、初値が公開価格を上回ったのは53社(82%)。平均騰落率は+33.81%
一方で、初値が公開価格を下回った「公募割れ」は12社(18%)です。
たしかに、8割が上回っている。強い数字に見えます。
でも、よく読んでください。この82%は「抽選で当たった人が、初値で売った場合」の勝率です。
私はその抽選に当たったことがないので、いつも上場した後(道②)に市場で買っていました。つまり、自分にはまったく当てはまらない数字を根拠に、株を買っていたんです。
これは誰かに騙されたわけでもなんでもなくて、単純に私が気づいていなかっただけです。今思うと恥ずかしいのですが、当時は「IPOは上がりやすいらしい」という言葉だけが頭に残っていました。
📊 しかも、その勝率も年によって変わります
さらに言うと、この「勝率」自体も年によってけっこう動きます。
2026年(8月時点・22社)では、初値が公開価格を上回ったのは13社で59%。平均騰落率は+16.90%、公募割れは9社(41%)でした。
※2026年の数字は、2026年8月時点の途中経過(22社)です。年末までにどうなるかは分かりません。

去年は8割が初値で公開価格を上回りましたが、今年は4割が公募割れです。★この勝率は「抽選で当たって、初値で売った場合」の話で、上場した後に買った場合の成績ではありません。※IPO統計サイトの公表データをもとに筆者作成。2026年は2026年8月時点の途中経過(22社)です。過去の実績であり、将来の成果を示すものではありません。
グラフで見ると分かりやすいのですが、去年は8割が初値で公開価格を上回っていたのに、今年は4割強が公募割れという状態です。公募割れの比率は18%から41%へ増えています。
つまり、「IPOは儲かる」という言葉は、年によって全然ちがう景色になるということですね。もちろん、これを見て「だからIPOはダメ」と言いたいわけではありません。数字は数字として、そのまま受け取ればいいと思っています。
😢【私の失敗】損に、損を重ねました
ここからは、私自身の話です。
抽選に当たらない私は、上場した後の株を市場で買って、短期で売り買いしていました。そこで待っていたのは、とにかく激しい値動きでした。
- ちょっと見ていない間にガクッと下がっていて、慌てて売る
- 売ったら今度は急騰して、慌てて買い直す
- その後、だらだらと下がっていく
いちばん安いところで売ってしまったこともあります。
たまに勝てたこともありました。勝った日はうれしくて、「やっぱりいけるんじゃないか」と思うんです。でも、累計で見たらしっかりマイナスでした。
最後は損切りをして、そこで終わらせました。金額はここには書きませんが、当時の私にとっては、じゅうぶん痛い経験でした。
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😵💫 いちばんつらかったのは、お金より「疲れ」でした
今ふり返って、いちばんこたえたのはお金の減り方ではありませんでした。
値動きが気になって、仕事中でもちょこちょこスマホを確認していたことです。一時期は、正直あまり仕事に集中できていませんでした。
株価が気になってしまう場面は、他にもありました。暴落のときとか、含み損が膨らんだときとか。ただ、私の感覚として、IPOのときは特にひどかったと思います。1日のうちに何度も値段が跳ねるので、見ないでいるのが難しかったんですよね。

減ったのはお金だけじゃなくて、日々の集中力と、気持ちの余裕でした。これがいちばん高くついた気がします。
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🌪️ なぜ、IPO直後はこんなに荒れるのか
失敗したあとで、あらためて理由を考えてみました。IPO直後の値動きが荒くなりやすいのには、大きく2つの背景があると言われています。
① 適正な株価が、まだ決まっていない
上場したばかりの会社は、公開されている業績の歴史が短く、比べる材料も少ない状態です。「この会社の株は、いくらが妥当なのか」という共通の目安が、まだ市場にできていません。だから、少しのニュースで大きく動きます。
② 短期で売買したい人が集まりやすい
値動きが大きいところには、その値動きで利益を取りたい人が集まります。結果として、さらに動きが大きくなる、というループです。
適正価格がまだ分からないうえに、短期で売買したい人が集まって値動きが激しい。だから、見ていて疲れる。これが、私がIPO投資をやらない理由です。
🤝【やんともの考え】でも、やる人を否定はしません
ここは、はっきり書いておきたいところです。
IPO投資をやる分には自己責任なので、好きにやればいいと思います。抽選に申し込むのを楽しみにしている方もいますし、それで結果を出している方もいます。私が「やめたほうがいい」と言う筋合いはまったくありません。
短期トレードはギャンブルに近いと私は思っていますし、過去の記事にもそう書きました。でも、それを分かったうえでやるなら、それはその人の選択です。
ただ私は、日々の値動きに振り回されたくないんです。仕事中にスマホをのぞく生活には、もう戻りたくありません。だから今は、ちゃんと企業を調べて、長期保有を前提に投資するスタイルに落ち着きました。
インデックスは新NISAでオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)を淡々と積み立て。日本株は長期で成長している会社を自分で調べて、暴落したときにだけ買い足す。これなら、毎日株価を見なくても眠れます😌
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📝 まとめ
- IPOとは、会社の株を証券取引所に並べて「誰でも買えるようにすること」。買う道は、抽選(公開価格)と、上場後に市場で買う、の2つ
- よく聞く「上場したばかりの株は上がりやすい」は、抽選で当たって初値で売った場合の話。上場後に買う人には当てはまらない
- IPO直後は適正価格が定まっておらず、値動きが荒い。私はそこで疲れてしまった
この原稿を書いている横で、もなかが積んである本の上にちょこんと座って、こちらをじっと見ていました。ココアはケージの中でぐるっと一周まわってから、ぺたんと座り直したところです🐈🐰
この、なんでもない時間を守れているのは、投資のやり方を変えたからだと思っています。
話題のIPOに乗れなくても、焦らなくて大丈夫です。世界中の会社に分散して積み立てていれば、大きくなった会社はいずれ自動で入ってきます。自分で当てにいかなくても、ちゃんと乗れるんですよね。
その話は、詳しくはこちら👇
オルカンを買っていたら、いつのまにかスペースXの株主になっていた
なお、長期・分散・積立が負けにくいと言われるのは、①長期的な経済成長、②複利効果、③リスクの分散、④時間分散、という4つの理由からです。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、将来の投資成果を保証するものではありません。投資には元本割れのリスクが常に伴います。
※本記事のIPO統計(2025年=65社、2026年8月時点=22社)は、IPO統計サイトの公表データをもとに筆者がまとめたものです。抽選方法・申込期間・手数料などの制度面は変更される場合がありますので、最新の仕様は公式サイトでご確認ください。
・日本取引所グループ(新規上場会社情報): https://www.jpx.co.jp/
・金融庁: https://www.fsa.go.jp/
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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。

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