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🏦 日銀のETF売却が加速します。株価への影響と、ペースを上げた理由

資産運用
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2026年10月30日、日本銀行が持っているETFを売るペースを約2.6倍に上げると決めました(2027年1月から)。

それでも1日にならすと約100億円で、市場全体の売買の0.1%程度です。日銀は「市場への影響は限定的」と判断しています。ただし、株価がこの先どうなるかは誰にもわかりません。

こんにちは、やんともです🐈

正直に言うと、日銀が日本株をETFで持っていて、今年1月から少しずつ売っていたこと自体、私は知りませんでした。

日本の高配当株を85社持つ身として気になったので、日銀の資料を読んで調べてみました📊 私が浮かんだ素朴な疑問は、この3つです。

  • 日銀が持っているETFって、なんのETF?
  • 株を買うと決めたのは、何か狙いがあったから?
  • なぜ今、売るペースを上げるの?

同じニュースを見て「自分の株やNISAは大丈夫?」と気になった方の参考になればうれしいです✨

📰 10月30日に決まったこと

まずは事実から。日銀が10月30日の金融政策決定会合で、全員一致で決めた内容です(日本銀行「当面の金融政策運営について」)。

  • 年間の売却ペース:「3,300億円程度」→「8,600億円程度」(どちらも簿価=買った値段で計算)
  • いまの値段(時価)に直すと:年「2兆4,600億円程度」
  • 市場全体の売買代金に占める割合:「0.05%程度」→「0.1%程度」
  • 売り終わるまでの年数:「約112年」→「約43年」
  • 開始:2027年1月から(それまでは今のペース)
  • 市場の状況に応じて、売る額を一時的に調整・停止できる(従来どおり)
  • J-REIT(不動産の投資信託)は年50億円程度のまま

8,600÷3,300で約2.6倍。これが「売るペースが2.6倍に」と報じられている数字です。

0.1%は、1,000円の売り買いのうち1円分のイメージです。「43年」は、9月末に持っている量(買った値段)を、1年に売る額で割った日銀の計算。今のペースなら112年かかるところが、43年に縮まるということですね。

2.6倍と聞くと大きく感じますが、売り切るまでには、まだ40年以上かかるペースです。

ちなみに同じ日、政策金利は1.25%程度のまま据え置きでした(賛成8・反対1。高田委員は1.5%への利上げを提案して否決)。

日銀はいま、どれくらいETFを持っているの?

日銀の「営業毎旬報告」によると、2026年10月20日時点で、買った値段で36兆9,421億円です。

2024年3月に新しく買うのをやめてから、2025年末までは37兆1,862億円のままでした。1月に売り始めてから10月20日までに減ったのは、買った値段で約2,440億円です。

日銀のETF保有額(買った値段)の推移。2016年末の約11兆円から2020年末に約35兆円へ増え、2024年3月に新しく買うのを終了。2026年1月から年3,300億円で売り始め、10月20日時点で36.94兆円。2027年1月から年8,600億円で売ると約43年で売り終わる計算で、前のペースのままなら約112年かかる
日本銀行「営業毎旬報告」「当面の金融政策運営について」(2026年10月30日)をもとに作成。2027年以降は計算

🔑 日銀が持っている「ETF」ってなに?(図で見ると)

ニュースを見て、私が最初に思ったのが「そのETFって、なんのETF?」でした。

ETFは「株の詰め合わせパック」

ETFは、株の詰め合わせパックのようなものです。TOPIX(東証に上場する会社の株価をまとめた指数)や日経平均などの「指数」と同じ動きをするように作られていて、株と同じように市場で売り買いできる投資信託です。

日銀は自分で直接ではなく、信託銀行に任せてETFを買ってきました。売るときも、信託銀行が日銀の代わりに売っています🏦

ETFと投資信託の違いについて、詳しくはこちら👇
📊 投資信託とETFの違いって?VYM・HDVもやさしく解説

日銀が買ってきたETF(以前→いま)

2010年12月に、TOPIXと日経平均に連動するETFから買い始めました。その後、JPX日経400(もうけ方などで選んだ400社の指数)や、「設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業」の株を集めたETFにも広げ、2021年3月からは「指数の構成銘柄が最も多いTOPIXに連動するもののみ」に。そして2024年3月に、新しく買うのをやめました。くわしい年表は、下の図にまとめています。

たとえるなら、以前は「日本の株の詰め合わせパック」を何種類も買い集めていて、いまはそれを少しずつ市場に戻している段階です。

日銀が持っているETFのしくみ。日本銀行が信託銀行に任せて、TOPIXなどの指数と同じ動きをするETF(株の詰め合わせパック)を買っていた。2010年12月にTOPIX・日経平均連動から始まり、2014年にJPX日経400、2016年に設備・人材投資の企業、2021年3月からTOPIX連動のみ、2024年3月に新しく買うのを終了。売るときは保有割合にほぼ比例して売り、相場が大きく下がれば止められる
日本銀行の基本要領・処分の指針・各回の公表文をもとに作成(2026年11月時点)

「簿価」と「時価」:ニュースに2つの金額が出てくるワケ

もう一つの鍵が「簿価」と「時価」です。

・簿価は買ったときの値段
・時価はいまの値段

日銀が売る8,600億円は買った値段での金額で、いまの値段に直すと約2兆4,600億円。約2.9倍になっています。日銀が買ったころより、株価が上がっているからです。

1万円で買ったものが、いまは約2万8,600円になっている、というイメージ。ニュースで「8,600億円」と「2兆4,600億円」が両方出てくるのは、このためでした💡

🤔 そもそも、日銀はなぜ株を買っていたの?

「買うって選択したということは、何か策略があったんだよね?」と気になりました。

始まりは2010年10月5日の「包括的な金融緩和政策」です。当時は景気の改善が弱まり、物価も下がっていました(消費者物価は前年より下落)。金利はすでに0〜0.1%程度で、短期の金利をこれ以上下げる余地がほとんどなかったのです。

そこで日銀は「長めの市場金利の低下と各種リスク・プレミアムの縮小を促していく」ために、国債・社債・ETFなどを買う「基金」をつくりました。

リスク・プレミアム=株を持つ人がほしがる「こわさ代」

リスク・プレミアムは、株などを持つときの「こわさ」の分だけ、上乗せして求められる見返りのこと。株を持つ人がほしがる「こわさ代」と考えるとわかりやすいです。

日銀が株を買う側に回れば、この「こわさ代」が小さくなり、お金が投資に回りやすくなる、という狙いでした。

ただ日銀自身も、当時の公表文で「中央銀行にとって異例の措置であり、特に、リスク・プレミアムの縮小を促すための金融資産の買入れは、異例性が強い」と書いています。日銀にとっても特別な手段だったわけですね。

その後、2013年からの大規模な金融緩和で買う量を増やし、コロナ禍の2020年には年約12兆円を上限に買えるようにしました。グラフの2016〜2020年の急な伸びが、その時期です📈

10月30日の会見で植田総裁は、2013年からの大規模な金融緩和について「ある程度の効果はあった」と述べています(2年で物価を2%に上げるような強い効果は出なかった、とも)。

🔄 なぜ今、売るペースを上げるの?

次に気になったのが「なんで今回売るペースを上げるのかな?」です。

日銀の公表文には、1月から売り始めて「市場に大きな影響を与えることなく円滑に進めている」、「株式市場においては市場全体の売買代金も拡大している」と書かれています。

総裁の説明をやさしく言い換えると

  • 売却を決めてから約1年1か月で、株価は今年の年初から2割程度上がった
  • 市場の売買高も、予想外に大きく増えた
  • そのため、最初の目安「売買高の0.05%程度」に、実績が夏にかけてかなり届かなくなっていた

市場の売り買いは大きくなったのに、売る額はそのまま。そのぶん、「市場の0.05%」という目安を下回っていたわけです。

そこで日銀は、この1年の経験に加えて、過去に「金融機関から買入れた株式」を売ってきた10年程度の経験も調べ直し、「0.1%程度、結果として43年くらいであれば市場等への影響も限定的だろう」と判断しました。

つまり今回は、目安を0.1%に上げて、ペースを合わせ直した形です。

総裁は、持っているETFの時価がどうなるかは「今後の株価動向次第」としつつ、「持っている株式の量、枚数というような意味では、着実に減っていく」とも述べています。

📉 株価への影響は?

いちばん気になるところですよね。日銀の資料からわかることを整理します。

  • 1日にならすと約100億円(年2兆4,600億円÷年間の営業日〈約245日〉で計算)
  • 市場全体の売買の0.1%程度(1,000円の売り買いのうち1円分)
  • 持っているETFを「その保有割合に概ね比例的なかたちで売却」(2025年9月の処分の指針)
  • 「価格指数が著しく下落した場合には、売却の一時停止を行うことができる」(同じ指針)

持っている割合にほぼ比例して売るので、特定の会社の株だけが狙って売られるわけではありません。

10月30日の日経平均の下げは?

決定の公表は10月30日の12時02分。この日の日経平均は、前日より1,369円(2.12%)安い63,290.11円で終わりました。

ただ、アメリカのハイテク株安が主な理由と報じられていて、この決定だけで動いたとは言えません。

影響がゼロとは言えませんが、日銀は限定的と判断しています。株価がどうなるかは誰にもわかりませんし、日銀の決定がそのまま株安につながるとも限りません。

日銀の決定と株価の関係について、詳しくはこちら👇
📈 利上げしたのに株価が上がった!?やさしく解説

オルカン(全世界株式)への影響は?

オルカンの中の日本株は約5%です(国別で2位・三菱UFJアセットマネジメントの資料)。日銀のETF売却は日本株の話なので、オルカンへの影響はさらに薄まります🌍

オルカンの国別の中身について、詳しくはこちら👇
🌍 オルカンとS&P500の両方持ちは分散になる?私はオルカン1本です

🙋 高配当株を85社持つ私は、どうするか

私は日本の高配当株を85社、特定口座で持っています。

業績や財務を自分で調べて納得した会社を、長く持つ前提で分散して買っています。

NISAのほうは、SBI証券でオルカンを積み立てています💰

85社の中に、日経平均に入っているような大きな会社がどれくらいあるかというと……半分くらいはあるかな? あまり意識したことはないので、よくわかりません。

日経平均は10月6日の70,683円から、11月2日には63,081円まで、約1割下がりました。この1か月で、高配当株を1社買いました。理由は、欲しい利回りまで下がったからです。

調べてみると、日銀は持っている割合にほぼ比例して、少しずつ売る仕組みでした。私の買い方は、「欲しい利回りまで下がったら買う」です。

85社の高配当株をどう選んで、どんなときに買い増しているかは、noteにまとめています。詳しくはこちら👇
利回りだけで選んで大失敗。85社の高配当株に投資する私が、買う前に必ず見る12の数字

「合格ライン」の具体的な数字と、私が持っている銘柄の判定記録まで載せた完全版もあります👇
高配当株の選び方 完全版 ― 初心者でも「減配しにくい会社」を自分で見つける12のチェック項目(note・有料記事)

ただしこれは私の記録であって、始めたばかりの方に真似をおすすめするものではありません。我が家の主役はあくまでオルカンで、日本株はその横に置いているものです。

この記事を書いている横では、もなかが部屋の中をとことこ歩き回っていて、ココアがラグを前足でせっせと掘っていました🐈🐇 40年以上かけて少しずつ進む話を読んだあとだと、このゆっくりした時間がちょうどよく感じます。

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▶ 私が新NISAと日本株に使っているのは SBI証券 です。NISA口座の紹介ページはこちらから確認できます。

❓ 日銀のETF売却のよくある質問

Q. 日銀がETFを売ると、株価は下がりますか?

1日にならすと約100億円で、市場全体の売買の0.1%程度です。日銀は市場への影響は限定的と判断しています。ただし、株価の先行きは誰にもわかりません。

Q. 日銀が売るのは、どの銘柄ですか?

持っているETFを、保有割合にほぼ比例して売ります。特定の会社だけが売られるわけではありません。ETFの中身はTOPIXなどに連動する、日本の上場企業の株です。

Q. 新NISAのオルカンにも影響はありますか?

オルカンの中の日本株は約5%です。日銀のETF売却は日本株の話なので、影響は薄まります。

Q. いつから、いつまで売るのですか?

新しいペースは2027年1月からです。このペースなら、売り終わるまで約43年。相場が大きく下がれば、一時停止することもできます。

Q. 「8,600億円」と「2兆4,600億円」、どちらが本当ですか?

どちらも本当です。8,600億円は買った値段(簿価)、2兆4,600億円はいまの値段(時価)に直した金額です。

📝 まとめ

  • 日銀はETFの売却ペースを年3,300億円→8,600億円(簿価)へ、約2.6倍に上げると決めた(2027年1月から)
  • 1日にならすと約100億円、市場全体の売買の0.1%程度。売り終わるまで約43年
  • 日銀のETFの中身は、TOPIXなどに連動する日本の株の詰め合わせパック。持っている割合にほぼ比例して売る
  • ペースを上げたのは、株価や売買が増えて、目安の0.05%に届かなくなっていたから
  • 私の高配当株の買い方は「欲しい利回りまで下がったら買う」。仕組みを知れば、ニュースに振り回されにくくなる

📚 参考にした資料

最新の仕様は公式サイトでご確認ください(日本銀行公式サイト)。

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本記事は2026年11月4日時点の情報です。株価の先行きを示すものではありません。投資の判断はご自身でお願いします。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。

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