証券アプリで積立の画面を開くと、評価額や損益と並んで「口数(くちすう)」という欄がありますよね。5桁とか6桁とか、やたら大きな数字が並んでいるあれです。
「これ、いったい何の数字なんだろう?」
「基準価額と何が違うの?」
そう思ったまま、なんとなくスルーしている方も多いのではないでしょうか。実は私も、投資信託を積み立て始めてから5年ほど、口数の意味をちゃんと調べたことがありませんでした😅
この記事では、口数と基準価額の関係、評価額の計算式をできるだけかんたんな言葉で説明します。そのうえで最後に、「解説しておいてなんですが、私は5年間まったく気にしてきませんでした」という正直な話も書きます。結論から言うと、意味が分かるとモヤモヤは消えます。でも、毎日チェックする必要はまったくない数字です✨
🧺 口数は「保有量」、基準価額は「値段」
いちばんシンプルな理解はこれです。
- 口数=どれだけ持っているか(保有量)。株式でいう「株数」にあたります
- 基準価額=いくらの値段か。株式でいう「株価」にあたります
スーパーの買い物で例えるなら、口数は「かごに入れたお米の量」、基準価額は「お米1袋の値段」です。持っている量と、その値段。この2つが分かれば、いま自分の資産がいくらぶんあるかが計算できる、という仕組みですね🍚
| 株式 | 投資信託 | |
|---|---|---|
| どれだけ持っているか | 株数 | 口数 |
| いくらの値段か | 株価 | 基準価額 |
ちなみに基準価額は、その投資信託が持っている資産の時価に利子や配当を加え、手数料などのコストを差し引いて「純資産総額」を出し、それをその日の総口数で割って算出されます。株価のように取引時間中にリアルタイムで動くものではなく、1日1回だけ決まる価格です。
基準価額がいつ決まるのかについて、詳しくはこちら👇
🌙 オルカンの「今日の値段」が夜まで分からない理由|基準価額のしくみ
💡 最大のポイント:基準価額は「1万口あたり」の値段
ここが初心者がいちばん混乱するところです。そして、口数という言葉がややこしく感じる原因のほぼすべてでもあります。
基準価額は、通常「1万口あたり」の価格で表示されます。
たとえば eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の基準価額は、2026年7月31日時点で37,521円でした。この「37,521円」は、1口の値段ではありません。1万口ぶんの値段です。
だから、「基準価額が37,521円ということは、37,521円ないと買えないの?」という理解は誤りです。実際には、SBI証券などのネット証券なら100円からでも買えます。100円ぶんに相当する口数だけ買える、というだけの話なんですね。
多くの投資信託は「1万口=10,000円」からスタートします。つまりオルカンの37,521円という数字は、スタート時点から基準価額がそれだけ上がってきた結果、ということになります(過去の値動きであり、今後を約束するものではありません)。
🧮 評価額の計算式は「保有口数 × 基準価額 ÷ 10,000」
基準価額が1万口あたりの値段なので、評価額を出すときは10,000で割る必要があります。式にするとこうです。
評価額=保有口数 × 基準価額 ÷ 10,000
たとえば、保有口数が10万口、基準価額が37,521円だったとします。
- 100,000 × 37,521 ÷ 10,000 = 375,210円
これがそのときの評価額です。証券アプリに出ている評価額は、この計算を毎日自動でやってくれている数字、というわけですね📊
「÷10,000」を忘れると桁が4つズレて、とんでもない金額が出てきます。最初にここでつまずく人が多いので、÷10,000はセットで覚えるのがおすすめです。
口数は、買ったあとに勝手に増えたり減ったりしない
もうひとつ大事なのが、口数そのものは値動きでは変わらないということ。増えるのは、あなたが買い増したときだけです。
値上がり・値下がりで動くのは基準価額のほう。口数は積み上がっていく一方で、基準価額が上下することで評価額が変わる——このイメージを持っておくと、アプリの数字が急に分かりやすくなります。
なお、分配金を出すタイプの投資信託では、分配金を再投資することで口数が増えていくケースもあります。ただしオルカンは分配金を出さない方針の商品なので、そのパターンは基本的にありません。
オルカンが分配金を出さない理由について、詳しくはこちら👇
🌍 オルカンって分配金出ないの?→出ません。でも損じゃない理由
📉 口数が分かると「安い月にたくさん買えている」が見える
口数の考え方が分かると、積立投資のちょっと面白い部分が見えてきます。同じ金額を積み立てても、基準価額が安い月は口数を多く買えているということです。
毎月3万円を積み立てるケースで計算してみます。
- 基準価額が37,521円の月:30,000 ÷ 37,521 × 10,000 = 約7,996口
- 基準価額が30,000円まで下がった月:30,000 ÷ 30,000 × 10,000 = 10,000口
同じ3万円を出しているのに、安い月のほうが約25%多く口数を買えていることになります。下の図でイメージをつかんでみてください。

同じ毎月3万円でも、基準価額が安い月のほうが口数を多く買えます。37,521円の月は約7,996口、30,000円の月は10,000口で、約25%の差になりました。※基準価額は1万口あたりの価格で表示されるため、口数は「買った金額 ÷ 基準価額 × 10,000」で計算します。上の金額は説明のための一例で、実際の約定価額は申込日の翌営業日などの基準価額で決まります。
相場が下がると気持ちは沈みますが、積立をしている人にとっては「同じ金額でたくさん仕込めている月」でもあるわけです。この仕組みがいわゆるドルコスト平均法ですね。
ドルコスト平均法のしくみについて、詳しくはこちら👇
🍎 ドルコスト平均法ってなに?小学生でもわかる積立のコツ
🐈 正直に告白します。私は5年間、口数を見ていません
……と、ここまで口数の話をしてきておいてなんですが。
私自身、口数を意識したことは一度もありません。
証券アプリを開いて見ているのは、口数でも評価額でもなく、評価損益です。プラスかマイナスか、いくらぶん増えているか。そこだけ見て、ふむふむと閉じています。
「基準価額が高いから買えない」という誤解も、幸いしたことがありません。投資信託が100円から買えることは最初から知っていたからです。ただ、口数の意味は知りませんでしたし、わざわざ調べようともしませんでした。今回この記事を書くにあたって、初めてきちんと整理したくらいです。
正直に言うと、「口数を知っておいてよかった」と思うことも、特にありません。5年間、知らないまま積立は問題なく続けられてしまいました。

そんな私の投資への向き合い方をひとことで言うなら、これです。
「いくらで買えたとか、気にしたことは一度もありません。長期で見たら今日はどうせ安値だし、そんなことを考えなくていいのがオルカンでしょ」
これはあくまで私個人の考え方で、将来の値上がりを保証するものではありません。投資には元本割れのリスクが常に伴いますし、10年後・20年後にどうなっているかは誰にも分かりません。ただ、毎月決まった日に決まった額を淡々と積み立てる、と決めてしまった以上、今日の基準価額が高いか安いかを気にしても、私の行動は1ミリも変わらないんですよね。
株を始めたばかりのころは、毎日のように値動きを見ては一喜一憂して、下がった場面で狼狽売りをして損をした経験があります。その反省から、いまは「見なくていいものは見ない」を意識しています。口数は、私にとってまさに「見なくていいもの」の代表格です。
ちなみに我が家では、そんな私の横でもなかが段ボールの上にどっかり座って一歩も動かず、ココアは前足で顔をくしくしと毛づくろい。数字の上下とはまったく無縁の平和な光景で、これくらいの温度感で投資と付き合うのがちょうどいいなと思っています🐈🐰
📝 まとめ:知ると納得できる。でも、知らなくても続けられる
今回のポイントを整理します。
- 口数=保有量(株でいう株数)、基準価額=値段(株でいう株価)
- 基準価額は「1万口あたり」の表示。だから37,521円でも100円から買える
- 評価額=保有口数 × 基準価額 ÷ 10,000
- 口数は値動きでは増減しない。増えるのは買い増したときだけ
- 同じ金額でも、基準価額が安い月は口数を多く買える
意味が分かると、アプリのあの謎の桁数に対するモヤモヤは消えます。それだけでも知る価値はあると思います。
でも、毎日チェックする必要はまったくありません。私は5年間見ていませんし、それで困ったことも一度もありませんでした。積立の設定を済ませたら、あとは家計管理と生活防衛資金のほうに目を向けて、投資画面はたまに開くくらいでちょうどいいと思っています。
数字を知ることは、安心して放っておくためのもの。そんなくらいの気持ちで受け取ってもらえたら嬉しいです✨
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※本文中の基準価額37,521円、純資産総額約13兆円、信託報酬 年0.05775%(税込)は2026年7月31日時点の数値です。基準価額・純資産総額は日々変動し、商品の仕様も変更される場合があります。最新の仕様は公式サイトでご確認ください。
・eMAXIS Slim シリーズ公式サイト:https://emaxis.jp/
・NISA制度について(金融庁):https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。

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