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📉 金利が上がると債券は下がります|「安全資産」が5年間マイナスだった話

資産運用
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「株はリスクが高いけど、債券は安全資産だからね」——投資の話になると、必ずと言っていいほど出てくる言い方です。私も何度も聞いてきましたし、なんとなく「債券=減らないもの」というイメージを持っていました。

ところが、実際の数字を調べてみたら、思っていたのとかなり違いました。日本の債券に投資するファンドは、5年間ずっとマイナスだったんです😳

最初に正直に書いておきます。私(やんとも)は、債券ファンドもバランスファンドも持っていません。買ったこともないし、検討したこともありません。「私も持っていて痛い目に遭いました」という話は一切できないので、そこは期待せずに読んでください。

ではなぜ書くのかというと、SNSでときどき「オルカン一本は危ない、債券も混ぜたほうがいい」という声を見かけるからです。そのたびに「実際のところ、どうなんだろう?」と気になっていました。それで調べてみたら、想像していたのと違う数字が出てきた、というのがこの記事です。

この記事で分かることは3つです。

  • なぜ金利が上がると債券の値段が下がるのか(仕組み)
  • 実際に、どれくらい下がったのか(数字)
  • それが自分に関係あるのかどうか(バランスファンド・個人向け国債)

📊 「安全資産」の成績を見てみます

まず結論から、数字を見てしまいましょう。日本の国債などに投資する代表的なファンド、eMAXIS Slim 国内債券インデックス(信託報酬0.132%/2017年2月27日設定)のトータルリターンです。

期間 トータルリターン
1年 −6.03%
3年 年率 −4.44%
5年 年率 −3.66%

(基準日2026年7月31日・トータルリターン。3年と5年は年率です)

国内債券インデックスファンドに100万円を入れた場合の5年間の推移。年率−3.66%で計算すると100万円が83万円まで下がる右下がりの折れ線グラフ
国内債券ファンドに100万円を入れたら(5年間)

スタートの100万円が、5年後には約83万円。5年間で17万円ほど減った計算になります。※eMAXIS Slim 国内債券インデックスの5年トータルリターン(年率−3.66%・基準日2026年7月31日)から計算した金額です。実際は年ごとに上下します。

ざっくり言うと、5年前に100万円を入れていたら、いまは83万円くらいになっている計算です。しかも1年・3年・5年、どこを切ってもマイナス。参考までに、基準価額は8,369円(2026年9月2日)。投資信託は1万円からスタートするので、設定から9年以上たったいまも、まだスタート地点に戻っていないということになります。

「安全」と聞いていたのに、減っている。この違和感が、この記事の出発点でした。

🔍 金利が上がると、なぜ債券は下がるのか

ここがこの記事の心臓部です。小学生に説明するつもりで、ゆっくりいきます。

債券は「お金を貸して、決まった利息をもらう」もの

債券というのは、国や会社にお金を貸す代わりに、決まった利息をもらう約束の紙です。大事なのは、利息の額は買ったときに決まっていて、そのあとは変わらないという点です。

たとえば、あなたが年1%の利息がもらえる債券を持っているとします。100万円貸して、毎年1万円もらえる約束です。

ところが、その後に世の中の金利が上がって、新しく発行される債券は年3%になりました。同じ100万円で、毎年3万円もらえる紙が売っています。

さて、ここであなたが持っている「年1%の古い紙」を、100万円で買ってくれる人はいるでしょうか。いませんよね。だって隣で3%の紙が同じ値段で売っているのですから。

だから、値段を下げないと売れない。これが「金利が上がると債券の値段が下がる」の正体です。難しい理論ではなく、ただの引き算みたいな話なんです。

満期まで持てば返ってくる。でも、ファンドには満期がない

ここでよく言われるのが「途中で値段が下がっても、満期まで持てば決まった額が返ってくるでしょ?」という話です。そのとおりで、これこそが債券が「安全」と呼ばれる理由です。

ただし——債券ファンドには満期が来ません。

ファンドは中身の債券を入れ替えながら、ずっと運用を続けます。だから「満期まで待って元本が戻る」という出口がなく、そのときどきの市場価格が、そのまま基準価額になります

「債券は安全」と「債券ファンドは値下がりする」がすれ違う一番のポイントが、ここです。同じ債券という言葉を使っているのに、持ち方がまったく違うんですね。

デュレーションという言葉を、ひとつだけ

債券の話で出てくるデュレーションという言葉。むずかしそうですが、ざっくり「金利が1%動いたら、値段が何%動くかの目安」と思っておけば十分です。

国内債券ファンドが目安にしている指数(NOMURA-BPI総合)のデュレーションは約7.8年(2026年5月末時点)。つまり金利が1%上がると、値段はおよそ7.8%下がる計算になります。思ったより大きい、と感じませんか。

そして、いま日本の金利は上がっています。2026年9月1日、長期金利(新発10年物国債の利回り)が一時3.0%を突破しました。1996年9月以来、約30年ぶりの高い水準です(9月2日は3.010%)。背景は、日銀の追加利上げ観測(次の金融政策決定会合は9月17日・18日)、財政への不安(2027年度予算の概算要求が過去最大の143兆円前後)、そして原油高の3つと言われています。

以前の記事で「2.9%」と書いた金利が、ついに3%を超えたことになります。長期金利の背景については、詳しくはこちら👇
長期金利が30年ぶりの高さに!住宅ローン・預金・オルカンはどうなる?

⚖️ 「株と逆に動くから安心」は、本当だったのか

正直に書くと、この記事を書く前の私の理解はこの程度でした。「安全資産とは言うよね。値動きが株式と逆になると言われてるのは知ってる」——たぶん、多くの方も同じくらいの認識ではないでしょうか。

そこで答え合わせです。過去5年、たしかに方向は「逆」でした

  • eMAXIS Slim バランス(8資産均等型):5年 年率+10.09%
  • eMAXIS Slim 国内債券インデックス:5年 年率−3.66%

株が上がる横で、債券は下がっていた。逆に動いてはいたんです。

でも、よく考えてみてください。逆に動くことの本当のありがたみは、「株が下がったときに債券が支えてくれる」ことのはずです。この5年間に起きたのは、その逆——株が上がる場面で、足を引っぱっていたということでした。

「逆に動く」=「いつでも助けてくれる」ではない。これは債券が悪いという話ではなく、金利が上がる局面ではこういうことも起きる、というだけの話です。ただ、知らないとびっくりしますよね。

金利と株の関係そのものについては、詳しくはこちら👇
利上げでなぜ株が下がる?小学生にもわかるやさしい解説

🌍 同じ「先進国債券」なのに、成績が真逆になります

調べていて、いちばん驚いたのがここです。同じ「先進国債券」という名前のファンドなのに、成績が真逆でした(いずれも基準日2026年7月31日・3年と5年は年率)。

先進国債券の為替ヘッジありとなしのトータルリターンを1年・3年・5年で比べた棒グラフ。ヘッジなしは全期間プラス、ヘッジありは全期間マイナス

同じ「先進国債券」なのに成績が真逆(為替ヘッジあり・なし)

青が為替ヘッジなし、赤が為替ヘッジあり。中身はどちらも同じ先進国の国債で、ちがいは為替の影響を打ち消しているかどうかだけです。5年で見ると年率+5.74%と年率−5.27%に分かれました。※ウエルスアドバイザーのトータルリターン(基準日2026年7月31日)をもとに筆者作成。

中身は、どちらも同じ先進国の国債です。違いは「為替の影響を打ち消しているかどうか」だけ。それだけで、5年の年率が+5.74%と−5.27%に分かれました。

つまり、プラスに見えていたのは円安のおかげだったということです。債券そのものは、この5年ずっと沈んでいた。円高に戻れば、この下駄は外れます。

為替ヘッジって結局なに?という方は、詳しくはこちら👇
オルカンの「為替ヘッジなし」って大丈夫?円安・円高でどうなるかを解説

🧺 バランスファンドを持っている人が、いちばん気づきにくい

ここまで読んで「私は債券ファンドなんて持ってないよ」と思った方。バランスファンドを持っているなら、実はしっかり持っています。

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、名前のとおり8つの資産に12.5%ずつ。内訳は、国内株式・先進国株式・新興国株式・国内債券・先進国債券・新興国債券・国内リート・先進国リートです。

債券は3つあるので、合計37.5%。資産の4割近くが債券ということになります。

でも、このファンドの1年のリターンは+19.39%(3年 年率+13.05%/5年 年率+10.09%)。しっかりプラスです。株が全体を引っぱってくれているので、中の債券が足を引っぱっていることは、成績表を見ても分からないんですね。

念のため書いておきますが、これは「バランスファンドが悪い」という話ではありません。8つの資産を自動でバランスよく保ってくれる手軽さは本物ですし、それを目的に選ぶのはまったく合理的だと思います。

ただ、中で何が起きているかは見えにくい。それだけの話です。

そして、これを知っておくと何が変わるか。株が下がった年に「債券が入っているのに、なんで守られないの?」と驚かずにすみます。驚いて売ってしまうのが、いちばんもったいないですから。私自身、投資を始めたてのころに値動きに耐えられず狼狽売りした経験があるので、これは本当にそう思います😅

🏛 同じ「債券」でも、個人向け国債は別物です

ここまで「債券は値段が動く」と書いてきましたが、個人向け国債は、値段が動きません。

財務省も「経済情勢などにより実勢金利が変動しても、元本部分の価格は変動しないので、安心です」と明記しています。年率0.05%の最低金利保証もあります。

2026年9月募集分の利率はこちらです。

  • 変動10年:年1.95%
  • 固定5年:年2.24%
  • 固定3年:年1.96%

金利が上がったぶん、たしかに以前より高くなっています。ただし注意点もあります。いつでも引き出せるわけではありません。発行から1年を経過しないと中途換金できず、換金するときは直前2回分の各利子(税引前)相当額 × 0.79685が差し引かれます。

まとめると、こういうことです。

「債券ファンド」は値段が動く。「個人向け国債」は値段が動かないかわりに、1年間動かせない。名前は似ていますが、まったく別の商品です。

ちなみに、個人向け国債も投資信託も、証券口座があれば同じところで買えます。わざわざ商品ごとに口座を作り分ける必要はありません。私はSBI証券をメインで使っています😊

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SBI証券 の資料請求(無料)はこちらから確認できます。私はネットで口座を開きましたが、まず紙で読んでから決めたい方向けの選択肢です。

🏠 では、我が家はどうしているか

冒頭に書いたとおり、我が家は債券ファンドもバランスファンドも持っていません。検討もしていません。

守りのお金(生活防衛資金)は、ぜんぶ普通預金に置いています。理由はシンプルで、いつでも、何が起こってもすぐ引き出せるようにしたいからです。子どもが2人いるので、突発的な出費はどうしても起きます。

生活防衛資金の考え方は、詳しくはこちら👇
生活防衛資金っていくら必要?投資より先に貯める「お守りのお金」のはなし

そして、ここが大事なところなのですが——だから私は、個人向け国債も選びません。変動10年で年1.95%はたしかに魅力的に見えます。でも、1年間引き出せない時点で、私が守りのお金に求めている条件から外れてしまう。利率で選んでいるのではなく、すぐ動かせるかどうかで選んでいるんです。

SNSで見かける「債券も混ぜたほうがいい」という声も、間違いだとは思っていません。ただ私はいま、株式だけでいいと思っています。資産が何億とかになってきたら、値動きを抑えるために債券も考えていいのかもしれません。否定ではなく、順番の問題だと思っています。

この論点については、詳しくはこちら👇
オルカン一択は危ない・金や債券で資産防衛を、って本当?初心者向けにやさしく解説

ちなみに、長期金利が3%になっても、私は何もしていません。いつもどおりSBI証券で eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)を積み立て、日本株は暴落したときにだけ買い足す。それだけです。

この記事を書いていたら、もなかが前に来て「にゃー」と甘えた声で鳴いていました。となりではココアが小さく丸まってうとうとしています。こういう時間のほうが、金利のニュースを追いかけるよりよっぽど大事だなと思うんですよね😊

余計なことを考える暇があったら、もっと別のことにリソースを使いたい。それが、いまの私の正直な気持ちです。

ここまでの数字を、ぜんぶ「100万円を5年入れたら」に置きかえて並べてみます。

国内債券ファンド・先進国債券(為替ヘッジあり/なし)・バランス8資産均等型に100万円を5年入れた場合の金額を比べた棒グラフ

「安全資産」に100万円を入れて5年待ったら

債券だけを持っていた場合は76万〜83万円に減り、株が入っているバランス型は162万円に増えた計算です。為替ヘッジなしの先進国債券が132万円なのは、くり返しになりますが円安のおかげで、債券そのものが好調だったわけではありません。※各ファンドの5年トータルリターン(年率・基準日2026年7月31日)から計算した金額です。実際の値動きの上下は表していません。

✅ まとめ

今回の話を4行にまとめます。

  • 債券は「値段が動かないもの」ではなく「金利で値段が動くもの」。金利が上がると、古い債券の値段は下がります
  • 「安全資産」は、株と比べて値動きが小さいという意味であって、減らないという意味ではない。国内債券ファンドは5年間ずっとマイナスでした
  • 債券ファンドと個人向け国債は別物。片方は値段が動き、片方は動かないかわりに1年間引き出せません
  • 知らずに持っているのと、知って持っているのは違う。中身を知ったうえで選んでいるなら、それでいいと思います

債券を持っている方に「損してますよ」と言いたいわけではまったくありません。バランスファンドの手軽さも本物です。ただ、安全という言葉のイメージだけで選ぶと、思っていたのと違うことが起きる——それだけは、先に知っておいて損はないと思います。

📚 出典・参考

  • 各ファンドのトータルリターン:ウエルスアドバイザー(Yahoo!ファイナンス 投資信託データ)/基準日2026年7月31日
  • 個人向け国債の商品概要・中途換金:財務省「個人向け国債」 https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/
  • 長期金利3%突破:日本経済新聞・Bloomberg(2026年9月1日)

投資信託の成績は基準日によって大きく変わります。また、個人向け国債の利率や中途換金のルールも変更される可能性があります。最新の仕様は必ず公式サイトでご確認ください。

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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。

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