「ふるさと納税、2026年10月から変わるらしいよ」
そんな話を聞いて、検索してこのページにたどり着いた方が多いのではないでしょうか。
結論から先にお伝えします。2026年10月から、いきなり「6割」になるわけではありません。最初は「52.5%」からのスタートで、60%という最終的な基準が適用されるのは2029年10月からです。
ただし、制度改正そのものは2026年10月1日から始まります。ここを「10月は何も変わらない」と読み違えると、逆に間違えてしまうので、順番にやさしく整理していきますね😊
🙇 私も「10月から全部変わる」と思っていました
正直に書きます。私自身、2026年10月から全部いっぺんに変わると思い込んでいました。
それどころか、7月に書いた自分の記事の中で「2026年10月から自治体は寄付金の6割以上を手元に残さなければならない」と書いてしまっていました。今回あらためて総務省の資料を読み直したところ、これは間違いでした。すでに記事は訂正済みです。
ニュースや記事のタイトルで「6割ルール」という呼び名だけが先に広まったので、私と同じように勘違いしている方はきっと多いと思います。せっかくなので、この記事では次の3つをはっきりさせておきます。
- ① 2026年10月から、本当は何が変わるのか
- ② 寄付した1万円は、いまどこへ行っているのか
- ③ 私たちはどうすればいいのか
📅 10月から「6割」にはなりません。まず52.5%からです
今回の改正は、ざっくり言うと「寄付金のうち、自治体が実際に使えるお金の割合を60%以上にしてください」という新しい基準です(総務省の指定基準に係る告示改正・令和8年3月24日)。施行日は2026年10月1日。
ただし、いきなり60%ではありません。段階的に引き上げられます。

赤い点線が、令和7年度の実績(全国平均)52.1%です。2026年10月からの基準52.5%を、すでに下回っているのが分かります。※段階=総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」(令和8年3月24日)、実績=同「現況調査結果(令和8年度実施)」の令和7年度。
図のとおり、階段を1段ずつ上がっていくイメージです。「6割」に到達するのは2029年10月、いまから3年先。2026年10月に求められるのは、あくまで52.5%です。
とはいえ、10月1日から新しいルールが動き出すこと自体は本当です。「10月からは何も変わらない」ではなく、「10月からいきなり6割にはならない」が正しい理解になります。
💴 そもそも、寄付した1万円はどこへ行っているのか
ここが今回いちばん面白いところでした。総務省の現況調査(令和8年7月31日公表・令和7年度の全国実績)を見ると、寄付されたお金の行き先がはっきり出ています。
令和7年度の受入額は1兆3,314億円、受入件数は5,963万件。このうち自治体が実際に使えたお金は6,932億円=52.1%でした。
これを寄付1万円あたりに直すと、こうなります。

ふるさと納税に1万円を寄付すると、お金はこう分かれます
1万円を寄付すると、自治体が実際に使えるのは5,210円。残りは返礼品の調達や送料、事務費などの募集費用に使われています。※総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」の令和7年度実績(全国合計)をもとに1万円あたりに換算。四捨五入のため合計は1万円ちょうどになりません。
つまり、1万円を寄付して、自治体の手元に残るのは5,210円。残りの4,790円は、返礼品や送料、事務作業といった「募集にかかる費用」に使われている計算です。(四捨五入の関係で、合計はぴったり1万円にはなりません)
この数字を見た私の正直な感想
この内訳を見たときの私の感想は、意外と冷静なものでした。「返礼品が3割と決まっているんだから、逆算すればそういうものか」です。驚きはありませんでした。
ただ同時に、「それでいいのかな」とも少し思いました。寄付したお金の半分近くが、地域に届く前に使われている計算になるので。
制度が悪い、と言いたいわけではありません。返礼品があるからこれだけ多くの人が地方にお金を回すようになったのも事実です。ただ、数字を知ったうえで使うのと、知らずに使うのとでは、やっぱり違うなと思ったのでした。
📉 じつは、全国平均はもう基準に足りていません
ここが今回の記事でいちばんお伝えしたい発見です。
令和7年度の全国平均は52.1%。ところが2026年10月から求められる基準は52.5%。0.4ポイント足りていません。
さらに、前年の令和6年度は53.6%でした。つまり1年で1.5ポイント下がっていることになります。基準は上がっていくのに、実績は逆方向に動いていたわけですね。
となると、自治体としてはどこかを削るしかありません。返礼品の内容を見直したり、送料のかかる商品を絞ったり、掲載を終了したり。これが「返礼品がじわじわ変わる」の正体です。
ポイントは、10月1日に全部が激変するわけではないということ。基準は毎年上がっていくので、これから数年かけて、少しずつ効いてくるタイプの変化です。
🔍 なぜ、自治体に残る割合が減ったのか
同じ現況調査に、ヒントになる数字が載っています。
- 寄付の97.2%がポータルサイト経由(令和6年度は94.5%=2.7ポイント増)
- ポータルサイト運営事業者への支払額は合計2,433億円=受入額の18.8%
- このうち返礼品の調達費と送料を除いた支払額は1,490億円=11.5%。令和6年度の1,379億円から111億円増
ここで「ポータルサイトが悪い」と書くのは、私はフェアじゃないと思っています。ポータルサイトがなければ、これほど多くの人がふるさと納税を使えるようにはならなかったはずです。比較して選べて、決済までスマホで完結する。あの便利さの対価でもあります。
ただ構造として、その割合が上がり続ければ、地域に残る分は減るのも確かです。令和8年度の与党税制改正大綱(令和7年12月19日)にも、区域外に流出する外部事業者への支払いはできる限り縮減していく必要があるという趣旨が書かれています。

✅ 変わらないところ(ここも大事)
「6割ルール」という言葉のせいで混同されやすいのですが、変わらないところもはっきりしています。
① 返礼品の調達費は「寄付額の3割以下」のまま
これは地方税法で決まっているルールで、今回の改正でも変わりません。4割になるわけでも、2割に下がるわけでもありません。段階的に引き上がるのは募集費用全体のほうです。ここは絶対に混ぜないでくださいね。
② 寄付する人の手続きは変わらない
ワンストップ特例も、確定申告も、これまでどおりです。私たち寄付する側がやることは、いまと同じ。新しい書類が増えるといった話ではありません。
③ 193万円の上限は、一般家庭には関係ない
ときどき「193万円の上限ができる」と話題になりますが、これは寄附額の上限ではありません。正しくは住民税の特例控除額の上限で、給与収入1億円相当の方が対象になる水準です(令和9年の寄附分から)。一般的な家庭には関係のない話なので、ここで不安になる必要はありません。
🏠 じゃあ、私たちはどうすればいいのか
結論です。慌てて駆け込む必要はありません。2026年10月に返礼品が一斉に消えるようなことは起きませんし、私たちの手続きも変わりません。
ただし、じわじわ変わっていくのは本当です。基準は毎年上がりますし、全国平均はすでに初回の52.5%に届いていません。だからこそ「いつかやろう」と年末まで放置するより、涼しいうちに済ませておくほうがラクだと思っています。年末は駆け込みで混みますし、人気の品は在庫も動きますからね。
我が家は毎年9〜10月ごろにまとめてやっていて、今年ももう済ませました。特別な理由はなくて、単に年末にバタバタしたくないからです。
そして我が家の方針は昔から変わっていません。返礼品は日用品だけにしています。ティッシュやトイレットペーパー、洗剤など、必ず使うものにしておくと、家計の変動費がそのまま浮くからです。豪華なお肉も魅力的なのですが、我が家はこのやり方が合っていました。
返礼品を日用品だけにしている理由について、詳しくはこちら👇
ふるさと納税、我が家は「日用品だけ」にした理由
日用品や食料品の値上がりが続くなかでは、こういう「確実に使うものを先に確保しておく」発想は、地味ですが効いてきます。
ちなみに私が使っているのは「ふるなび」です。理由は正直に言うと、たまたま最初に使ったからで、それ以来なんとなく毎年そのまま。制度そのものはどのサイトを使っても同じなので、探しやすいと感じるところで大丈夫です😊
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物価が上がる仕組みそのものについては、詳しくはこちら👇
物価はなぜ上がるの?原油高・円安が家計に響く仕組みをやさしく解説
ちなみに、この記事を書いている横では、もなかが窓辺で香箱座りをして、じっと外を眺めていました。ココアはケージの中で野菜をもしゃもしゃ食べていて、我が家はいつもどおりの午後です🐈🐰

📝 まとめ
- ① 2026年10月から始まるのは52.5%。6割になるのは2029年10月から。ただし制度改正自体は10月1日スタート
- ② 寄付1万円のうち、いま自治体に残るのは5,210円(令和7年度・全国平均52.1%)
- ③ 全国平均はすでに52.5%に届いていない(52.1%)。前年の53.6%から1.5ポイント低下。だから返礼品はじわじわ変わる
- ④ 返礼品の3割ルールと、私たちの手続きは変わらない。慌てなくて大丈夫
「6割ルール」という言葉だけが独り歩きしていますが、中身を見れば階段状の、けっこう長いスケジュールです。私のように勘違いしたまま覚えてしまっている方に、この記事が届いたらうれしいです✨
📚 出典
- 段階スケジュール:総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」(令和8年3月24日・自治税務局市町村税課)
- 令和7年度の実績:総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」(令和8年7月31日公表)
- 税制改正大綱:令和8年度税制改正大綱(令和7年12月19日)
制度の細かい部分は今後の告示で変わる可能性があります。最新の仕様は必ず公式サイトでご確認ください。
総務省 ふるさと納税ポータルサイト:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。

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