こんにちは、やんともです🐈 先週金曜(2026年6月5日)、アメリカの「雇用統計(働いている人がどれだけ増えたかを示すデータ)」が発表されました。事前の予想はおよそ8.5万人増だったのですが、ふたを開けてみたらなんと約17.2万人増。予想の倍近くです。
「景気が良いってこと?じゃあ株もうれしいニュースじゃない?」と思いますよね。ところが、その日のアメリカ株、とくにハイテク株は大きく下げました。
正直に言うと、私もニュースを見ながら「株ってほんとうにわからないなぁ」とつぶやいてしまいました😅 そこで今回は、初心者がいちばん混乱しやすい「金利と株の関係」を、小学生でもわかるくらいやさしく解説していきます。
🌱 そもそも「金利」「中央銀行」「利上げ」ってなに?
むずかしい話の前に、3つの言葉だけやさしく整理しておきましょう。
金利=お金についてくる「おまけ」の割合
「金利」とは、お金を借りたときに追加で払う「おまけ」の割合のこと。逆に、お金を預けたときにもらえる「おまけ」でもあります。
たとえば、お友だちから100円を借りて、返すときに「101円返してね」と言われたら、その1円ぶんが金利のイメージです。
中央銀行=国全体のお金の大もとを調整する銀行
「中央銀行」は、国全体のお金の量や金利を調整している、いちばん大もとの銀行です。アメリカでは「FRB(連邦準備制度理事会)」、日本では「日銀(日本銀行)」がその役割を担っています。FRBは「アメリカの日銀」とイメージするとわかりやすいですね。
利上げ=中央銀行が金利を引き上げること
そして「利上げ」は、その中央銀行が金利を引き上げること。モノの値段が上がりすぎている(インフレ)ときに、世の中のお金の動きの熱を冷ますために行われることが多いです。
逆に、景気が冷えすぎているときには金利を下げる「利下げ」も行われます。中央銀行は、熱いお風呂をうめたり、ぬるいお風呂を温めたりする調整役、というイメージです♨️

🤔 なぜ「景気が良いニュース」で株が下がったの?
ここからが今回の本題です。冒頭の雇用統計の話に戻りましょう。
「働く人がたくさん増えた=景気が良い」のは、本来うれしいことのはず。でも投資家たちはこう考えました。
- 景気が良すぎる → みんながどんどんお買い物する
- → モノの値段(物価)が上がりすぎちゃうかも
- → 中央銀行(FRB)が「熱を冷まそう」と利上げするかも
- → それなら株はちょっと売っておこうかな…
これが「良い経済ニュースが、株にとっては悪いニュースになる」現象です。初心者がいちばん「えっ?」となるポイントですよね。
でも、この流れを知っておくと、「良いニュースなのに株が下がった!」というときも、「ああ、利上げを心配しているんだな」と落ち着いて見られるようになります。
💸 利上げで株が売られる3つの理由
では、なぜ利上げが「株が売られる」につながるのでしょうか? 大きく3つの理由をやさしく見ていきましょう。
理由1:会社の「借金」が重くなる
会社はふつう、お金を借りて、工場を建てたり、新しい商品を作ったりして成長していきます。金利が上がると、借りるときのコスト(おまけの部分)が増えるので、もうけが減りやすくなります。
これは家計でも同じ。住宅ローンや車のローンの金利が上がると、毎月の支払いが重くなりますよね。すると「ちょっと買い物をひかえようか」となり、その分、会社の売上にも響きます。
つまり、利上げは会社のもうけにジワッとブレーキをかけるんですね。
理由2:「安全な場所」が急に魅力的になる
金利が上がると、銀行預金や国債(国にお金を貸すしくみ)でも、そこそこお金が増えるようになります。
たとえば、預金金利がほぼ0%のときは「預けてもぜんぜん増えないし、株でがんばろう」と考える人が多いですが、預金金利が4〜5%もつくようになると、
「リスクのある株を持たなくても、安全なほうで増えるならそれでいいや」
と考える人が増えます。すると、お金が株から、預金や国債のような「安全な場所」へお引っ越ししていく。その結果、株は売られて下がりやすくなる、というわけです。
理由3:「将来のもうけ」の“今の価値”が下がる
3つめは、ちょっとだけ大人っぽい話ですが、これが今回ハイテク株が特に売られた理由でもあります。
株のねだんは、ざっくり言うと「その会社がこれから稼ぐお金」を、今の価値に直したものです。
ここで、こんなクイズを考えてみてください。
「今すぐもらえる1万円」と「10年後にもらえる1万円」、どっちがうれしい?
多くの人は「今すぐの1万円!」と答えると思います。だって今もらえれば、すぐに使えるし、預けて増やすこともできるから。
つまり、将来のお金は、今のお金にくらべて少しだけ「値打ちが下がる」と考えるのが自然なんです。なぜなら、今のお金は預金などで増やせるからです。
もう少し具体的にしてみましょう。たとえば金利が5%の世界だとします。今6,000円あまりを銀行に預けておくと、利息がついて10年後にはおよそ1万円になります。
ということは、「10年後の1万円」は、今でいえば6,000円あまりの値打ちと考えられますよね。今その金額を用意すれば、10年後に1万円にできるのですから。そして金利が高いほど、預金で増えるスピードが速いぶん、将来のお金の『今の値打ち』はより小さくなります。このことを、むずかしい言葉では「現在価値(げんざいかち)」と呼びます。

「10年後にもらえる1万円」の今の価値は、金利が高いほど小さくなります(例:金利5%なら約6,139円)。だから将来の成長に期待するハイテク株ほど、利上げで売られやすくなります。※仕組み説明用の例です。
上のグラフは、「10年後にもらえる10,000円が、金利によって“今の価値”がどう変わるか」をざっくり示したものです。
- 金利0% → 今の価値はそのまま約10,000円
- 金利1% → 約9,000円
- 金利3% → 約7,400円
- 金利5% → 約6,100円
金利が高くなるほど、「将来の1万円の“今の値段”」がどんどん小さくなっていくのがわかりますね。
ハイテク株や成長株のなかには、今もしっかり利益を出している会社もたくさんあります。ただ共通しているのは、株価に「これからさらに大きく成長するだろう」という将来への期待が、ほかの会社より多く織り込まれていることです。
つまり、株価のうち「ずっと先のもうけ」が占める割合が大きい、ということ。さきほどの現在価値の話のとおり、金利が上がると、その「ずっと先のもうけ」の“今の値打ち”が大きく下がります。だからハイテク株・成長株は、利上げのときに特に売られやすくなるんです。
※このグラフはあくまで仕組みを説明するための例で、特定の相場予想や将来の利益を示すものではありません。
🏦 ちなみに「金利が上がるとうれしい株」もある
ここまで「利上げ=株に逆風」という話をしてきましたが、実はそうとも言えない株もあります。
たとえば銀行株。銀行は「お金を貸して、金利をもらう」のがお仕事なので、一般に金利が上がるともうけが増えやすいと言われます。
また、業績がもともと安定している会社や、生活必需品を作っている会社などは、利上げ局面でも比較的おだやかな値動きになることもあります。
このあたりはあくまで「一般的にそういう傾向がある」というだけの話で、実際の株価は会社の業績・世界情勢・原油価格など、いろいろな要因で動きます。「利上げ=この株を買うべき」と単純に決めつけないのが大切ですね。
🐈 我が家のスタンス:利上げニュースで一喜一憂しない
ここからは、私(やんとも)個人の考え方です。
正直に言うと、金利と株の関係は、プロでも先を読むのがとてもむずかしいです。「次のFOMC(FRBの会議)で利上げするか?」「するなら何%か?」を当てようとしても、市場のプロですら外すことがあるくらい。
だから私は、利上げのニュースで売ったり買ったりは基本しません。やっていることはとてもシンプルで、
- 新NISAのつみたて投資枠で「eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)」を、SBI証券で毎月コツコツ積立
- 日本株の個別株は、長期で応援したい優良企業を、暴落のときだけ少しずつ買う
これだけです。利上げ局面も、長い相場の歴史から見ればその一部。下げのときに慌てて売らない(過去の記事 #632 のお話)、安いときにコツコツ買えるのが積立のいいところ(#626 ドルコスト平均法のお話)、というのを自分に言い聞かせています。
先日、リビングでニュースを見ていた妻が「また株、下がってるね」とポツリ。私が「うん、でも積立は淡々と続けるよ」と返すと、足元では愛猫もなかが丸くなって寝ていて、ケージの中ではココアがもしゃもしゃチモシーを食べていました🐰 こういう日常のなかで「相場のことばかり考えすぎない」のが、我が家にとってちょうどいい距離感だなぁと感じています。
📊 長期インデックスが「負けにくい」と言われる理由
最後に、「じゃあなぜ淡々とオルカンを積み立てるの?」というところを簡単に。長期インデックス投資が一般的に負けにくいと言われるのは、おもに次の4つの理由からです。
- ① 長期的な経済成長:世界経済は長い目で見ると成長してきていて、企業の業績や株価も上がる傾向があります
- ② 複利効果:長く持つほど、利益がさらに利益を生んでくれます
- ③ リスクの分散:市場全体に分散投資することで、特定の会社の不調の影響を抑えられます
- ④ 時間分散:長く続けることで、短期の値動きをならして、高値づかみのリスクも軽くできます
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、将来の投資成果を保証するものではありません。投資には元本割れのリスクが常に伴います。
📝 まとめ:「良いニュースで下がる」も相場の一部
今回のポイントをふりかえっておきましょう。
- 金利=お金についてくる「おまけ」の割合。利上げはそれを引き上げること
- 景気が良すぎると、利上げを心配して株が売られることがある
- 利上げで株が売られる理由は主に3つ:①会社の借金が重くなる、②安全な場所が魅力的になる、③将来のもうけの今の価値が下がる
- 特にハイテク株・成長株は「将来のもうけ」が大事なので、利上げの影響を受けやすい
- でも、銀行株のように利上げで追い風になる業種もあるし、相場は金利だけで決まらない
「良いニュースで株が下がる」ことは、決しておかしなことではありません。仕組みがわかれば、ニュースを見ても落ち着いていられます。
私はこれからも、利上げのニュースに一喜一憂せず、オルカンの積立をコツコツ続けていく予定です。みなさんも、ご自身のペースで、無理のない投資を楽しんでいけたらいいですね✨
※金利の最新の動き(FOMCは2026年6月28〜29日に予定など)や相場については、各証券会社・公式サイトでご確認ください。
・FRB公式:https://www.federalreserve.gov/
・日本銀行公式:https://www.boj.or.jp/
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。

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