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💰 オルカンの実質コストはいくら?信託報酬0.05775%だけじゃなかった話

資産運用
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「オルカンの手数料は年0.05775%だから、100万円あずけても年578円だけ。安いなあ」

私はずっとそう思っていました。というより、そういう記事を自分で書いていました。

以前、信託報酬のしくみを解説した記事を書いています。そのときに調べたのは、あくまで「説明書に書いてある数字」でした。

信託報酬の基本については、詳しくはこちら👇
💰 信託報酬ってなに?オルカン・S&P500などの投資信託を選ぶ際に際に注目してほしいこと

ところが今回、はじめて「ファンドの1年間の成績表(運用報告書)」をきちんと開いてみたんです。

そうしたら、私の知らない費用がいくつも並んでいました。正直に言います。解説記事を書いた私ですら、知りませんでした 😅

💡 結論:578円のつもりが、実は850円でした

先に答えを書きます。

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式・オール・カントリー)に100万円をあずけたとき、1年でかかっていたお金は約850円でした。

説明書に書いてある578円ではありません。その差は272円。だいたい1.5倍です。

……とはいえ、100万円で年850円です。ペットボトルのお茶4本分くらい。慌てる金額ではありません。

それでも「自分が何にいくら払っているか」を知っておくのは、悪いことじゃないと思うんです。今日は、できるだけやさしく書いていきます。

📊 覚えてほしい数字は3つだけ「578円 → 706円 → 850円」

今回の話は、階段を3段のぼるイメージです。

1段目:578円
買う前にわたされる説明書(交付目論見書)に書いてある信託報酬です。(年0.05775%)

2段目:706円(一段目578円+128円)
「ぜんぶ込みの手数料」と呼ばれる数字(総経費率)。信託報酬に、外国の株をあずかってもらう費用などを足したものです。(年0.07061%)

3段目:850円(一段目578円+二段目128円+144円
ファンドの1年間の成績表(運用報告書)に載っている、全部の合計です。(年0.085%)

ここで大事なポイントがひとつ。

2段目の「ぜんぶ込みの手数料」って、名前のわりにぜんぶ込みじゃないんです。説明書にちゃんと「株の売り買いの手数料と税金は入れていません」と書いてあります。

だから、そこまで足した3段目の850円が、いちばん実態に近い数字になります。

逆に言うと、「信託報酬が850円だった」わけではありません。信託報酬はあくまで578円。それ以外の費用を全部足すと850円になった、という話です。ここは間違えないようにしたいところです。

オルカンに100万円を1年あずけた場合の費用を3段階で示した棒グラフ。説明書に書いてある信託報酬は578円、ぜんぶ込みの手数料(総経費率)は706円、成績表に載っていた全部の合計は850円

同じオルカンでも、どの書類を見るかで数字が変わります。説明書の578円から、運用報告書の850円まで272円の差がありました。※三菱UFJアセットマネジメントの交付目論見書(2026年7月25日)・交付運用報告書(2025年4月26日〜2026年4月27日)より。100万円あたりの金額は筆者の概算です。

🧾 レシートを見てみよう。差はどこから来たのか

スーパーのレシートって、合計金額の上に品物が並んでいますよね。

投資信託の成績表も、あれと同じです。「合計850円」の内訳が書いてあります。

オルカンのレシート(100万円あたり・1年)を並べると、こうなります。

中身 100万円あたり
信託報酬 580円
株を売り買いしたときの手数料 30円
株を売り買いするときに国に払う税金 110円
外国の株をあずかってもらう費用など 130円
合計 850円

ひとつだけ、お断りしておきます。

さっき「説明書の信託報酬は578円」と書いたのに、この表では580円になっていますよね。少しだけちがうんです。

578円は、説明書に「これ以上はもらいません」と書いてある上限の数字。580円は、成績表に載っていた実際に引かれた金額です。見ている書類がちがうので、数字も少しだけ変わります。

それと、この表の金額は10円きざみになっています。成績表の数字が、細かいところを四捨五入して載っているからです。「だいたいこれくらい」と思っていただければ大丈夫です😊

私が「へえ!」と思ったのは、下の2つです。

ひとつは「株を売り買いするときに国に払う税金」が110円あったこと。日本の株にはない感覚なので、まったく意識していませんでした。

もうひとつは「外国の株をあずかってもらう費用」が130円あったこと。世界中の株を買うということは、その国その国で株を保管してもらう必要がある、ということなんですね。

ちなみに130円の中身は、あずかってもらう費用が110円、その他が20円、監査費用は0円でした。

オルカンとS&P500の費用の内訳を比べた積み上げ横棒グラフ。オルカンは信託報酬580円・売り買いの手数料30円・売り買いにかかる税金110円・外国であずかってもらう費用など130円で合計850円。S&P500は770円・10円・0円・30円で合計810円

合計の差は年40円しかありませんが、中身はまったくちがいます。アメリカには株の売り買いにかかる税金がないので、S&P500だけ0円になっています。※交付運用報告書(2025年4月26日〜2026年4月27日)より。100万円あたりの金額は筆者の概算です。

🇺🇸 S&P500とくらべると:ふくらみ方はちがうのに、着地はほぼ同じ

ここからが、今回いちばん面白かったところです。

同じシリーズのS&P500のファンドも、同じようにレシートを見てみました。

すると、こうなっていました。

  • 信託報酬:770円
  • 株を売り買いしたときの手数料:10円
  • 株を売り買いするときに国に払う税金:0円
  • 外国の株をあずかってもらう費用など:30円
  • 合計:810円

説明書に書いてある信託報酬は814円。それに対して、実際の合計は810円。ほとんどふくらんでいません

一方のオルカンは、578円が850円へ。約1.5倍にふくらみました。

ふくらみ方はまったくちがう。でも最後の着地は、850円と810円

差はたったの年40円です。うまい棒2本買える程度の金額😳

なぜオルカンだけふくらんだのか

いちばん大きな差は、さっきの「株を売り買いするときに国に払う税金」でした。オルカンは110円、S&P500は0円。

理由はシンプルで、アメリカにはこの税金がないからです。だからアメリカの株だけを買うS&P500では0円になります。

でも世界には、この税金がある国もあります。たとえばイギリスは0.5%、台湾は0.3%(出典:経済産業省委託調査、ジェトロ)。

オルカンは世界中の株を買っているので、そういう国の分だけ、費用がちょっとずつ乗るわけですね。

「世界に広く分散している」ことの、地味な裏側という感じがします。

オルカンとS&P500のどちらを選ぶかについては、詳しくはこちら👇
🌍 オルカンとS&P500の両方持ちは分散になる?私はオルカン1本です

🌏 もうひとつの理由:あずかってもらう費用は、国によってちがう

オルカンの費用が少し多くなる理由が、もうひとつあります。

さっきレシートに出てきた「外国の株をあずかってもらう費用」です。これ、どの国の株かで大きくちがうんです。

オルカンは、中身が3つに分かれています(先進国・新興国・日本。マザーファンドといいます)。その3つを比べた資料を見ると、こうなっていました。

オルカンの中身 信託報酬をのぞいた費用の率
先進国(日本以外) 0.022%
新興国 0.145%
日本 0.000%

新興国の部分だけ、先進国の約6.6倍。しかも0.145%のうち0.098%が「あずかってもらう費用」でした。

遠い国の株をあずかってもらうほど、お金がかかる。世界中に分散するというのは、そういうことなんですね。

⚠️ ひとつだけ、大事なお断りです。この3つの率はそれぞれの中だけで計算した数字で、集計している期間もちがいます(先進国・新興国は2024年5月14日〜2025年5月12日、日本は2025年4月26日〜2026年4月27日)。さきほどのレシートの270円(850円から信託報酬580円を引いた分)の内訳ではありません。足し算してもつながらないので、「どのあたりで費用がかかりやすいか」を知るための数字だと思ってください。

オルカンの中身を3つに分けたときの、信託報酬をのぞいた費用の率を比べた棒グラフ。先進国0.022%、新興国0.145%、日本0.000%で、新興国だけ先進国の約6.6倍

あずかってもらう費用は、遠い国ほど高くなります。新興国の部分だけ先進国の約6.6倍でした。※この率は3つの部分それぞれの中での数字で、集計期間もちがいます。オルカン全体の費用の内訳ではありません。交付運用報告書より。先進国・新興国は2024年5月14日〜2025年5月12日、日本は2025年4月26日〜2026年4月27日。

オルカンの中身や国別の比率が気になった方は、こちらもどうぞ👇
🔍「オルカン」似た名前がいっぱい…SBIで迷わない選び方

🐈 やんともの話:知らなかった。でも、何も変えません

正直に書きます。私は今回まで、これを知りませんでした。

信託報酬の解説記事まで書いておきながら、それ以外にも費用がかかっていること自体を知らなかったんです。

そして、成績表(運用報告書)。届いてはいたんです。届いていたけれど、開いたことがありませんでした。今回はじめて中を読みました。

読んでみての感想は、拍子抜けするくらい静かなものでした。

「そもそも低いから、誤差みたいなもんかな」

272円です。100万円あずけて、1年で272円。知っておくのはいいことだけれど、慌てて何かをする話ではないな、と思いました。

PDFを開いて数字を書き出している間、キャットタワーの上からもなかがこちらをじーっと見下ろしていました。何をそんなに真剣に見ているの、という顔で 🐈

新興国を抜こうとは、思いません

「新興国の部分の費用が高い」と分かったとき、頭をよぎる選択肢はあります。新興国を外したファンドにすれば、費用は少し下がるかもしれない。

でも私は、そうしません。

全世界に分散していることが、そもそもの良さだと思っているからです。費用が安いことより、そっちを優先したい。

以前「除く日本」を選ばなかったときも、同じ理由でした。中身を細かくいじり始めると、けっきょく自分の予想で世界を切り分けることになります。それは私のやりたい投資ではありません。

株を始めたてのころ、値動きに耐えられず狼狽売りをして痛い目を見た経験があります。あのころの私に足りなかったのは、「決めたら触らない」でした。だから今は、余計にいじりません。

それに、この850円は「2025年4月26日〜2026年4月27日」の1年間の実績です。売り買いの量によって変わるので、来年も同じとは限りません。1円単位で追いかけても、あまり意味がないんですよね。

📝 まとめ:知ったけど、やることは変わらなかった

今回わかったことを、3行にまとめます。

  • 説明書の信託報酬は578円(100万円・1年)
  • ぜんぶ込みの手数料は706円。でもこれ、売り買いの手数料と税金は入っていない
  • 成績表まで見ると、全部で850円だった

そして、私がファンドを買うときに見るものは、これからも変わりません。純資産総額、信託報酬、そして説明書。この3つです。

「実質コスト」という言葉は、ときどき人を不安にさせる使われ方をします。でも、もともとの水準が十分に低いなら、272円の差で乗り換えを繰り返す方がよっぽど損だと私は思います。

本当に気にすべきは、こういう小数点の下ではなく、買った瞬間に何%も引かれていくような商品のほうです。

その話は、詳しくはこちら👇
🏦 銀行の窓口で投資信託を買ってはいけない理由|手数料のからくり

今日も我が家は、いつもどおり積み立てるだけです。足元ではココアがラグを前足でせっせと掘っていて、こちらは相変わらずのんびりしています 🐰

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数字は三菱UFJアセットマネジメントの交付目論見書(2026年7月25日)および交付運用報告書(2025年4月26日〜2026年4月27日)によるものです。100万円あたりの金額は筆者が計算した概算です。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。

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